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内房
「内房〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内房の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古き小画」より 著者:宮本百合子
思われる。 実際、スーラーブは、この場合、自然な自分の数語、一挙手が、どんなに
内房《アンダルーン》の空気を和げ、くつろがせるか、よくわかっていた。けれども、平....
「旅愁」より 著者:横光利一
三階の真紀子の部屋は天井も高く周囲の物音も聞えなかった。蜂の巣のように中に無数の
内房を包んで連った建物の、その中の一つのこの部屋から外を見ると、空は少しも見えず....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
まぐるしいほどの旅をつづけているが、房州路へは全くはじめてです。
船を嫌って、
内房をめぐるべく歩を取った七兵衛――江戸を離れようとする時に、乗込んで来た一隊の....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
くなったのか。」と、堀部君は李太郎に言った。「お前そっと覗いてみろ。」 ひとの
内房を窺うというのは甚だよろしくないことであるので、李太郎は少し躊躇しているらし....
「九条武子」より 著者:長谷川時雨
めかけ》お藤の方のほうが、実はすべてをやっていたのだというが、もはや新門跡夫人の
内房《ないぼう》でなければならない。と、同時に、武子さんの位置もおなじお姫さまで....
「香魚の讃」より 著者:佐藤垢石
通い筒を下げながら幾人もの釣り人が遠くかみ手の方へ歩いて行くのを見る。 芝川、
内房川、稲子川、佐野川、福士川、戸栗川、波木井川、早川、常葉川など、何れの支流も....
「水の遍路」より 著者:佐藤垢石
。そして山女魚もいる。 東海道岩淵で太平洋へ注ぐ富士川本流の大鮎と、支流芝川や
内房川の渓流魚は、われらの昔から楽しんだところである。興津川の鮎と山女魚はいまさ....
「雷嫌いの話」より 著者:橘外男
ところというお望みなら、海岸へ住むんですな。東京近辺では、逗子、葉山。千葉県では
内房地方、……その辺が、月五回の部分に当りますから、一番雷が尠いわけですね。絶対....
「悪僧」より 著者:田中貢太郎
にかかったものであります」 老宰相はまた泣きだした。 老宰相は伜の寡婦のいる
内房の西房へ入って往った。寡婦の夫人は愛嬌を湛えて舅を迎えた。 「今朝、鵲が鳴い....
「三国志」より 著者:吉川英治
のかに明るくなりかけた。 「……うーむ。ああ、よく眠った」 蒋幹はわざをして、
内房から飛び出した。外はまだ暁闇、わずかに東天の空が紅い。 陣屋の轅門まで来る....