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「内殿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内殿の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
。こんなに焼けているとは思わなかった。浅草寺の観音堂もない、仁王門もない、粂の平内殿は首なし、胸から上なし、片手なしである。五重塔もない。 ◯吾妻橋のタモトに立....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
だって退屈のあまり雀の小弓で二百本ばかり射かけてみたが、これにさえ当らぬもの、金内殿も、おおかた海上でにわかの旋風に遭い、動転して、流れ寄る腐木にはっしと射込ん....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
く敬礼しました。 「南無飯綱大権現」 七兵衛がこう言って拝礼すると、 「南無甚内殿、永護霊神様」 とがんりきが続けます。次にがんりきが、 「南無飯綱大権現」 ....
パルテノン」より 著者:野上豊一郎
西の端にそれぞれ六本ずつのドリス式円柱が並び、それを前後にして中に石壁で囲まれた内殿があった。内殿は二つに仕切られ、東側の三分の二はヘカトンペドス・ナオス(百歩....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
うな」 「さよう」と幸左衛門は微笑した。「応接に暇がないほどでござる」 「平賀源内殿、杉田玄伯殿など、相変わらず詰めかけて参りましょうな」 「あのご両人は熱心な....
三甚内」より 著者:国枝史郎
「進上申す印籠の事。 旧姓、飛沢。今は、今日の捕手頭富沢甚内より 勾坂甚内殿へ」 「あっ」思わず声を上げた時。 「御用!」と鋭い掛け声がしたと同時にどこ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
掻い締めにしていた両の腕を素早く紋也は解き放したが、北条左内の前へ立った。 「左内殿、本心に戻られたか?」 「…………」左内はしかし黙っている。何やら考えている....
南国太平記」より 著者:直木三十五
ないで、じっと、登って来る二人を見ていたが 「見張ではない、あやしい奴じゃ――山内殿、此処へ参って――」 手招きした。山内が、大股に、ゆっくりと、草原を二人の....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
だったが、ながいこと無人だったのをこの隠居が買い取ったものだとのことで、大須賀玄内殿に期限もなしに貸してあることではあり、かつは雨風に打たれた古家であるにもかか....
霊廟」より 著者:永井荷風
段の高低がつけてあるので、もしこれを第三の門際《もんぎわ》よりして望んだならば、内殿の深さは周囲の装飾と薄暗い光線のために測り知るべくもない。 この建築全体の法....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
行きまして、暫く西側の壁の端で待って居りますと チベット法王に謁す 法王が内殿から御出御になります。前案内としてズーニェル・チェンモ(侍従長)が先に出て参....
三国志」より 著者:吉川英治
はその朝、常より早めに軍師府へ姿を見せていたが、舎人から噂を聞いて、すぐ漢中王の内殿を訪れた。 「すこしお顔色がわるいようではございませんか。昨夜はよく御寝にな....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ら、お耳にいれると、たいそうよろこぶ。案じられな……大納言殿」 夜は、小御所の内殿で、饗応がひらかれた。それも、そっとの催しで、微行の吉田大納言は、次の日、さ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 と、訊いていた。 「いえ決して――」と殿ノ法印は猪首をかがめ。「さような河内殿とは思いませぬ。なれど余りに真っすぐな田舎武人」 「どうも、そちとは前々から....
私本太平記」より 著者:吉川英治
内守正成の到着――と聞え、またまもなく、総門外の額田為綱からも、 「ただいま、河内殿の一勢が、御門外に到って、着到の届け出でにおよばれましたが、いかがなされます....