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「内気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
お芳が女中だった時から、彼女を悪人と思ったことはなかった。いや、寧ろ人並みよりも内気な女と思っていた。が、東京の或る場末に肴屋《さかなや》をしているお芳の兄は何....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
十四 茶の間の方では、癇高《かんだか》い妻のお百《ひゃく》の声や内気らしい嫁のお路《みち》の声が賑《にぎ》やかに聞えている。時々太い男の声がまじ....
袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
められた私の事を、一図《いちず》にじっと思っていた。それがこの時、夫の事を、あの内気《うちき》な夫の事を、――いや、夫の事ではない。私に何か云う時の、微笑した夫....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
かけますと、能弁な泰さんは、「それがさ、」とゆっくり前置きをして、「何しろあんな内気な女が、二三度会ったばかりの僕の所へ、尋ねて来ようと云うんだから、よくよく思....
或る女」より 著者:有島武郎
、その顔には涙のあとがまざまざと残っていた。少年から青年になったばかりのような、内気らしい、小柄《こがら》な岡の姿は、何もかも荒々しい船の中ではことさらデリケー....
或る女」より 著者:有島武郎
上の恋ともいうべきものを崇拝的にささげていた岡が、あの純直な上品なそしてきわめて内気な岡が、見る見る葉子の把持《はじ》から離れて、人もあろうに愛子――妹の愛子の....
私の父と母」より 著者:有島武郎
ないわけにはいかないが、わりに北方の血を濃く承けていると思う。どっちかといえば、内気な、鈍重な、感情を表面に表わすことをあまりしない、思想の上でも飛躍的な思想を....
婦系図」より 著者:泉鏡花
離れて、夫人の背後に突立っていたので、上下に顔を見合わせた。余り騒がれたためか、内気な夫人の顔は、瞼に色を染めたのである。 と、早瀬は人間が変ったほど、落着い....
縁結び」より 著者:泉鏡花
だから、そのお嬢さんなんざ、年紀も違うし、一所に遊んだ事はもちろんなし、また内気な人だったとみえて、余り戸外へなんか出た事のない人でね、堅く言えば深閨に何と....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
雪を見れば小さやかにふっかりと臥して、女雛を綿に包んだようでありまする。もとより内気な女の、先方から声を懸けようとは致しませぬ。小宮山は一晩介抱を引受けたのであ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
るもの。誰でも可愛がるよ、可愛がりますともさ。はははは、内のお雪なんかの、あんな内気な、引込思案な女じゃったけれど、もう、それは、あんたの事と言うたら、まるで狂....
初雪」より 著者:秋田滋
れていることに気がついたので、彼女はそのまま口をつぐんでしまった。彼女は臆病で、内気な女だった。反抗心もなければ、強い意志も持っていなかった。 一月のこえを聞....
良夜」より 著者:饗庭篁村
家へ小間使というものに来りしとなり。貧苦心配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気なれど情心あり。主公は朋友の懇親会に幹事となりてかの夜、木母寺の植半にて夜を....
寡婦」より 著者:秋田滋
僕にだって恋をすることが出来ますよ」 そうしてその子は私に云い寄りました。ごく内気に、優しく優しく云い寄ったのでした。それが余り滑稽だったので、皆な笑ってしま....
三枚続」より 著者:泉鏡花
」 「幾干か出せ、こりゃ恐ろしい。」 「真平御免なさい、先方は小児なんです。ごく内気そうな、半襟の新しいが目立つほど、しみッたれた哀な服装、高慢に櫛をさしてるの....