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内約
「内約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のときご病身の主人権之丞様を毒殺いたし、みずから遺言書をこしらえつくって、養子の
内約あったごとくに装い、りっぱなお血筋の江戸錦様を巧みに放逐いたしましたうえ、ま....
「私の個人主義」より 著者:夏目漱石
もたった一カ年しかおりませんでした。立つ時に知事が留めてくれましたが、もう先方と
内約ができていたので、とうとう断ってそこを立ちました。そうして今度は熊本《くまも....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
た。その上、最近になって、左院副議長江藤新平の知遇を得て、司法少輔に抜擢せられる
内約があったし、そうなれば、新日本の民法刑法などの改革に、一働きしたい野心もあっ....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
まなものだから、余一人を責めてはいかん。 「実に気の毒な事だて、御上の仰せだから
内約があるの何のと申し上げても仕方がない。それで帯刀が娘に因果《いんが》を含めて....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
のであろう。大阪方で転封と云うことがなければ、大事の城の濠を潰させるわけはない。
内約的に栄転的転封を約したのであろう。 三月中旬に、大阪より青木一重、淀君の妹....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
。 何故に枳園が※庭の門人として召し出されたかは知らぬが、阿部家への帰参は当時
内約のみであって、まだ表向になっていなかったのでもあろうか。枳園は四十二歳になっ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
せ――わたくしを、妻としてでなく、女としての自由をお許し下さいませ、結婚の際の御
内約を今日、お許し下さるように」
といって、ようやく加藤家を去ってしまったのは、....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
さして下すったので、有難い事と実に私も喜んで居たのに、六年|前の浦賀の祭に小兼と
内約が出来たってとう/\彼方をお断り、それに小兼も半治もあゝいう負けない気の奴だ....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
その次男は大学の文科に籍を置いている。それが将来は先生のお嬢さんの婿になるという
内約のあるらしいことは、わたしも薄々知っていた。そういう事情から、桐沢氏は多代子....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
すから婿を取らなければなりません。そこで、妹娘のお由を兄の房太郎に娶わせるという
内約束になっていることは、わたくしも薄うす知っています。その妹の男を姉が横取りし....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
、文部省の規則変ずべからざる由にて、諭吉の願書もまた返却したり。これがためすでに
内約の整いし教師を雇い入るるを得ず、去年十二月下旬、本人は去りて米国へ帰り、太田....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、いずれ費用も掛ろう。手間も要ろう。官より直接とは参らぬが、そこは有志の資本家と
内約が結んである。どうじゃ、親仁。お国のため。――はッというので、近常さん、(阿....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
相当に耻かしからぬように持って行く。これは日本の結納とは違う。もちろん何程という
内約も何もない。そこで娘と息子の両親は例のごとく卜筮者あるいは神下しに聞いて吉日....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
せば、後日、恩賞の領土を加えて、六波羅の一員にも列せしめよう、というありがたいご
内約だが……しかし、それにそむけば、やがてわが家の没落は知れている」 「……で、....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
も直接ではなく、もっぱら丹波方面に活躍している明智光秀と細川藤孝を介して、他日の
内約が結ばれていたものである。――で、秀吉はこの一勢力の重要性も疾くから見ていた....