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「内縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人間失格」より 著者:太宰治
の所有権を敢然と主張し、人と争うほどの気力が無いのでした。のちに、自分は、自分の内縁の妻が犯されるのを、黙って見ていた事さえあったほどなのです。 自分は、人間....
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
えってアア知らない方がよかったと思う事が時々あります。モーパサンの小説に、或男が内縁の妻に厭気《いやき》がさしたところから、置手紙か何かして、妻を置き去りにした....
食魔」より 著者:岡本かの子
検してみた。 京都の由緒ある大きな寺のひとり子に生れ幼くして父を失った。母親は内縁の若い後妻で入籍して無かったし、寺には寺で法縁上の紛擾があり、寺の後董は思い....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
このお金に亭主があるか無いか、勿論、表向きの亭主は無いにきまっているが、いわゆる内縁の亭主とか、色男とか旦那とかいうようなものがあるか無いか、それを念入りに探索....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ん》か、さいぜん妹だというたではないか」 「いいえ、お妹御ではございませぬ、まだ内縁でございまして甲州の八幡《やわた》村からついこの間お越しのお方、発明で、美人....
黒百合」より 著者:泉鏡花
の花を取ってやがて戻って参りましょうが、しかし打遣っちゃあおかれません、貴方に御内縁の嬢さんなら、私にゃ新夫人様。いや話は別で、そうかといって見ております訳では....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
な》のところへ通っておるのでございます。もっともこの淫売女はさる立派な男といわば内縁関係を結んでいて、それになかなか気性のしっかりした女ですから、誰にかけても難....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
の童子すらも、なお景山英《かげやまひで》の名を口にせざるはなかりしぞ憂き。 五内縁 それより一、二カ月を経て、東京より重井ら大同団結遊説のため阪地《はんち》....
魔都」より 著者:久生十蘭
ともかく、手っ取り早く事件の概略を述べると、皇帝は東京で松谷鶴子という女優上りと内縁関係を結んで居られた。……ところが、ところがだね、その女が昨夜殺……、いや窓....
血の盃」より 著者:小酒井不木
のだ」と、涙ながらに歎息するのであった。 丹七は伊勢の国の生れであって、他人の内縁の妻と駈落ちして、二人でこの村の遠縁のものをたよって流浪して来たのであるが、....
深川の散歩」より 著者:永井荷風
の芸者で、廃《や》めてから私の世話になって二年の後、型《かた》ばかりの式を行って内縁の妻となったのである。右隣りが電話のボタンを拵《こしら》える職人、左隣がブリ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
くなって一旦ネパールに帰るというのでシカチェまで帰って行ったところが、ふと自分の内縁の女房にして居るラサ府の婦人を想い出して阿母さんの方を打棄って置いてまた跡戻....
澪標」より 著者:外村繁
一人もいない。無分別といえば、とく子もその例外とは言い得ない。私ととく子とは今も内縁関係を続けているのだから。 翌年、三月、私は卒業した。が、生活できる当は全....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
一緒に種田の家に移した。それ故|後《のち》になって戸籍を見ると、種田夫婦は久しく内縁の関係をつづけていた後、長男が生れた為、初めて結婚入籍の手続をしたもののよう....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
来た。崖頭が行けなくなると左に廻って、岩間を塗り固めた雪の壁に鉈で足場を刻み、其内縁を伝いながら岩峰の横を搦んだりなどする。一度岩の狭間が相対して幅三、四尺高さ....