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「内輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ないのに違いなかった。けれどもまた坊ちゃんと見縊らなければ、彼女ももっとこちらの内輪《うちわ》を窺《うかが》わせていたことは確かだった。 「じゃ余りお友だちはお....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
達磨茶屋《だるまぢゃや》の女は年々|夷講《えびすこう》の晩になると、客をとらずに内輪《うちわ》ばかりで三味線《しゃみせん》を弾《ひ》いたり踊ったりする、その割《....
或る女」より 著者:有島武郎
れるのだろう。二十過ぎた男があなたのように礼儀をわきまえずに他人《ひと》の生活の内輪にまで立ち入って物をいうはばかの証拠ですよ。男が物をいうなら考えてからいうが....
星座」より 著者:有島武郎
少ししなびたくらいの変化だった。相変らずぼそぼそと生きるにいいだけのことをして、内輪内輪にと暮している。何をいって聞かせたってろくろく分りはしないのだから、俺....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
が、福島の商家の娘さんで学校をでた方だが、当世に似合わないおとなしい優しい、ちと内輪すぎますぐらい。もっともこれでなくっては代官婆と二人住居はできません。……大....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
くなった。 久しぶりでおとよも曇りのない笑いを見せながら、なお何となし控え目に内輪なるは、いささか気が咎むるゆえであろう。 籠を出た鳥の二人は道々何を見ても....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
ような思想上の戦国時代に在っては文人は常に社会に対する戦闘者でなければならぬが、内輪同士では年寄の愚痴のような繰言を陳べてるが、外に対しては頭から戦意が無く沈黙....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
ので、その日その日に於ける夫人の安否を確かめることはできなかったけれど、氏だけの内輪話では、あの積極的な夫人からたとえ三日たりとも解放せられたことは寿命を数年間....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
の紅いのが映りそうなのに、藤色の緒の重い厚ぼったい駒下駄、泥まみれなのを、弱々と内輪に揃えて、股を一つ捩った姿で、降しきる雨の待合所の片隅に、腰を掛けていたので....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
る。年紀はお京より三つ四つ姉さんだし、勤務が勤務だし、世馴れて身の動作も柔かく、内輪の裡にもおのずから世の中つい通り――ここは大衆としようか――大衆向の艶を含ん....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
げられたのでございました。尤も軍務多端の際とて、その式は至って簡単なもので、ただ内輪でお杯事をされただけ、間もなく新婚の花嫁様をお連れになって征途に上られたとの....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
形君の写真を見たのはおそらくこのときが最初であろう。格別うまいとは思わなかつたが内輪な芝居で演技にも人がらにも好感が持てた。 台湾から帰途船が瀬戸内海にはいる....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
とすると京伝側が余り快く思わぬは無理もないが、馬琴が京伝に頼った頃の何十年も昔の内輪咄を剔抉いて恩人風を吹かし、人倫とはいい難しとまで京山が罵るのは決して穏やか....
『火星兵団』の作者の言葉」より 著者:海野十三
直接の国防科学力だけではない、建設に役立つ科学力も、同時に必要なのです。どんなに内輪に見つもりましても、わが国は、これまでの科学力に百倍する科学力を持たねばなら....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
一友人に概算して貰った。友人の私に示した案は私の立案の心理状態と同一で、どうやら内輪に計算されているらしい。 私の考えでは軍は政府に軍の要求する兵備を明示する....