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内金
「内金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
取って来たところで、漸《やっ》と大家や外の小口を三四軒片着けたり、職人の手間賃を
内金に半分ほども渡したりすると、残りは何程もなかった。
「宅《うち》じゃこういう....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
一のそんな冗談に土門は瞬間あっという顔を見せたが、さすがに、 「じゃあ、とにかく
内金を入れて置こう。さあ、二円かえしたよ。帳面から引いといてくれ給え」今豹一から....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
院 「おはなし電気学」の補遺原稿の催促。 偕成社の矢沢氏 「まだらの紐」の
内金を持参あり。偕成社の近情を聴く。社長の所業に対して好意的なる苦言を呈せん事を....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
から買い取る約束をしたもので、代金二十五円九十銭も一時には支払えないところから、
内金としてまず五円九十銭だけを納め、残り二十円も追い追いと支払って、その年の九月....
「悪魔祈祷書」より 著者:夢野久作
…今月のお月給の全部……私に下さるんで……ヘエッ……あの聖書のお手附け……千円の
内金と仰言るんで……これはどうも恐れ入りましたナ。あの本は先生がお持ちになったん....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
するか妾に出すか知らぬが。エヽ喧擾しいわ、老耄、何にして食おうがおれの勝手、殊更
内金二十両まで取って使って仕舞った、変改はとても出来ぬ大きに御世話、御茶でもあが....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
敷へ入ったも同じじゃ、と心が緩むと、嘉吉|奴が、酒代を渡してくれ、勝負が済むまで
内金を受取ろう、と櫓を離した手に銭を握ると、懐へでも入れることか、片手に、あか柄....
「村の三代」より 著者:宮本百合子
ではない。 作っただけの米が自由にならないこと、夜の目も眠らず上げた繭を組合で
内金だけで売らなければならないこと、村人たちはそれらの新しいことにまだ馴れにくいのである。 〔一九四一年一月〕....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
五十両のとりたてを任《まか》せられ候については、右貸金はすでに三年越しにて、最初
内金五両お下げ渡しありたる後は、月延べ月延べにて何らの御挨拶《ごあいさつ》なく打....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
被申候は引請候後彼立者早速御届申候為後証仍如件 慶応三年九月 酒井左衛門尉
内金方竹岡半兵衛 郡代 正田弘右衛門 小姓頭 榊原隼人 前書之通相違御座無候以....
「淡紫裳」より 著者:佐藤垢石
山のほんの一小部分にしか過ぎない。高い山にさえぎられた奥の方に渓谷と山容の複雑な
内金剛の山々が、果てしもなく広く隠れている。また、海の方には日本海の波涛を白く砕....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
舟というか、よもや引かされてというか、入った原稿料を三分しては一を彼女の落籍料の
内金に堀江の留守宅へ送り、一を別れた妻子に送り、残りを自分の生活費(アルコール代....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
れども、油さしも来やしない。旅費のつかい残りで、すぐに石油を買う体裁、なけなしの
内金で、その夜は珍らしく肴を見せた、というのが、苦渋いなまり節、一欠片。大根おろ....
「東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
と同じく、また貝葉でなく紙本梵文にも逸品がある。三井園城寺大日経真言梵本一冊、河
内金剛寺普賢行願讃一冊、高野山無量寿院大涅槃経一軸がある。いつか刊行したいと思っ....
「城」より 著者:カフカフランツ
宿屋を賃貸ししてやろうと申し出てくれました。わたしたちを信用してくれていたので、
内金を取ろうとはしないで、賃貸料も大変安くしてくれました。わたしは父にだけは面倒....