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内陣
「内陣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内陣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、かすかなものの声が聞こえるとすれば、それは、香の煙のたちこめた大寺《だいじ》の
内陣で、金泥《きんでい》も緑青《ろくしょう》も所《ところ》斑《はだら》な、孔雀明....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
× ×
三十分の後《のち》、彼は南蛮寺《なんばんじ》の
内陣《ないじん》に、泥烏須《デウス》へ祈祷を捧げていた。そこにはただ円天井《まる....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
りました。 中は予想のほかに広いのです。 拝殿らしいのが前にひと棟《むね》。
内陣とおぼしき建物がその奥にひと棟。 渡殿《わたどの》、回廊、社務所、額殿《が....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
》と黝《くろ》ずんで光っているのだった。眼の前には、二本の柱で区画された一段高い
内陣があって、見ていると、その闇が、しだいにせり上がって行くかと思われるほど、框....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
て咽せるほどな参詣人の人いきれの中でまた孤独に還った。 「ホザナ……ホザナ……」
内陣から合唱が聞こえ始めた。会衆の動揺は一時に鎮って座席を持たない平民たちは敷石....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を極わめた建物があったが、内に安置された本尊は孔雀明王だということである。しかし
内陣は薄暗く、それに不断に香の煙りが立って、あらゆる物象を遮っているので、拝する....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だ?」 「鼓ヶ|洞の絶壁の上に」 「ふうん、それじゃ窩人部落か?」 「天狗の宮の
内陣にな。……そこに大きな木像がある。身の長二丈で鎗を持っている。……宗介天狗の....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
如く現すだろうと思う。 真夏の昼、蝉の声を樹蔭に聞きながら本堂の縁側に憩いつつ
内陣の暗闇を覗くと、この女の黒髪が埃をかぶってその幾束かが本尊の横手の柱から垂れ....
「不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
の臣と左の足に故障のある窶々した住職が出て来た時には、監物たちは本堂の前に立って
内陣に点った二三本の蝋燭の光に、大小の仏像の薄すらと浮いているのを眺めていた。 ....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
によって、神殿の中に高価な物が、蔵されてあるように感じられていた。――その神殿の
内陣へ、入って行くことが出来るのであった。 茅野雄の後を尾行るとなれば、小枝を....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
、思わず両手を天へ上げたが、にわかに何か叫びながら社殿の格子戸を引き開けた。と、
内陣の板の間に老土人が一人眠っていた。そうしてその側に少年がいた。しかし土人の子....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
い。が、椿岳の画の深い根柢や豪健な筆力を窺う事が出来る大作である。 この本堂の
内陣の土蔵の扉にも椿岳の麒麟と鳳凰の画があったそうだが、惜しい哉、十数年前修繕の....
「審判」より 著者:カフカフランツ
が、こんなときにやってこようという気に誰もならないのは当り前のことだった。両側の
内陣を通ったが、暖かい布にくるまってマリアの像の前にひざまずき、それを見上げてい....
「仏法僧鳥」より 著者:斎藤茂吉
ていると小坊主に咎められた。そこにあたかも西洋人夫婦を案内して来た僧がいて仏壇の
内陣の方までも見せている。『あれはどうしたのだ』という。『あれは寄附をしたのです....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
…長かったりまるかったりするそれらの褪せた色のわびしいことよ。金あみを張った暗い
内陣には蝋燭の火が夢のように瞬いている。仰ぐと、天井に、ほう/″\の講中から納め....