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内隠し
「内隠し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
内隠しの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
に呪《のろ》わしい光景が開けた。…………
横浜。
書記の今西《いまにし》は
内隠しへ、房子の写真を還《かえ》してしまうと、静に長椅子《ながいす》から立ち上っ....
「宝石の序曲」より 著者:松本泰
、差し支えなければ当分預かってもよいと言ってきたからだった。 海保はチョッキの
内隠し袋に縫い込んだ、ダイヤモンドの膨らみを上着の上から撫《な》でて、 「これで....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
倍もしくは数十倍にもしなければならない目下の事務に返っていた。私はTAXIDOの
内隠しから mille の紙幣を二枚抜きながら、それを|賭け札に換えてくれる「両....
「楠の話」より 著者:豊島与志雄
った。 背広の男と父とは二、三言挨拶を交わしたらしかった。それから彼は、上衣の
内隠しから紙片を一枚出して父に渡した。父はそれに一通り眼を通して、それから先刻の....
「田舎者」より 著者:豊島与志雄
――とただペン字でそれだけで、所番地もなくTとだけしてあった。岸本はそれを上衣の
内隠しにしまって、さて、マダムが依田氏の家に居るだろうとは想像したが、暫く行くの....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
さぐった。
一つのポケットをさぐって、またも一つのをさぐった。それからズボンの
内隠しを、一方をさがし一方を裏返した。
「ないぞ。」と彼は言った。「札がない。忘....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
少年は小ラブレー(訳者注 十六世紀の快活な風刺詩人)である。
彼らは時計入れの
内隠しがついてるズボンでなければ満足しない。
彼らはあまり驚くことがなく、恐れ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
える、天の与えた機会であった。ガヴローシュは立ち止まり、上衣をなで回し、ズボンの
内隠しを探り、ポケットを裏返したが、金は一スーもなかった。彼は叫び出した、「助け....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
だった。
ジャヴェルは答えた。
「復讐するがいい。」
ジャン・ヴァルジャンは
内隠しからナイフを取り出して、それを開いた。
「どすか?」とジャヴェルは叫んだ。....
「三つの悲憤」より 著者:豊島与志雄
委托す。」と認めてありました。范志清がかねて用意していたものとみえて、その死体の
内隠しの中から見出されたものでした。阮東はその文字をじっと眺め、それから、火桶の....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
行の人もありませんでした。 その楊柳の一本の影に、黒眼鏡の青年は急に立止って、
内隠しから、小布に包んだ物を取出し、汪紹生に差出しました。 「お頼みのものです。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
て手箱を眼の前へ持って来てしばらく仔細に見ていたがようやく納得したと見えて外套の
内隠しへしっかりと蔵いホッと初めて吐息をしてそのまま隣室の扉へ行ってドアの取手に....
「土から手が」より 著者:牧逸馬
ットは、鳥渡英雄的に手を上げて制しながら、 「待ち給え。今頭髪を撫でつける」と、
内隠しからポケット櫛を取り出して悠々と髪を分け直して、「後に残るものだからな、出....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
行った。 七 寺の役僧に礼を云ってイベットは小さい手帳を乗馬服の
内隠しに仕舞った。それから役僧の姿が祭壇の横の扉に隠れたのを見届け小田島に近寄っ....