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「内面生活〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

内面生活の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
時々|宅《うち》へ話しに来る青年と対坐《たいざ》して、晴々しい彼らの様子と自分の内面生活とを対照し始めるようになった。すると彼の眼に映ずる青年は、みんな前ばかり....
中味と形式」より 著者:夏目漱石
るやむをえざる矛盾だから、形式から云えばいかにも矛盾のようであるけれども、実際の内面生活から云えばかく二様になる方がかえって本来の調和であって、無理にそれを片づ....
思い出す事など」より 著者:夏目漱石
殺風景なものだろう。たまにはこんな古風の趣がかえって一段の新意《しんい》を吾らの内面生活上に放射するかも知れない。余は病《やまい》に因《よ》ってこの陳腐《ちんぷ....
続獄中記」より 著者:大杉栄
。したがってそこに住む人間の心はとかくに弛緩しやすい。本当に血の滴るような深刻な内面生活は容易に続け得られない。その他種々なる俗的関係の顧慮もある。いっさいを忘....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
実して生きたい。燃ゆるがごとき愛をもって生に執着したい。されどされど退いて自己の内面生活を顧みるとき、徘いて周辺の事情を見回すとき、内面生活のいかに貧弱に外情の....
おのずから低きに」より 著者:宮本百合子
題としてみるとき、新聞小説の通俗性の側から云々されるよりも、寧ろ、作家の本来的な内面生活からいかに思想、判断の慾望が衰頽して来ているかということが私たちの深い自....
生態の流行」より 著者:宮本百合子
ないのではないだろうか。今日、学生生活は外部的事情において一変して来ていると共に内面生活は外部にあらわれているよりもよりつよく動かされて来ている。その動かされか....
偶然の産んだ駄洒落」より 著者:九鬼周造
駄洒落を聞いてしらぬ顔をしたり眉をひそめたりする人間の内面生活は案外に空虚なものである。軽い笑は真面目な陰鬱な日常生活に朗かな影を投げ....
雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
に気の毒なような気のするだけは確かである。 私はただ何という理窟なしにボーアの内面生活を想像して羨ましくまたゆかしく思っていた。そしてそのような生活がいつまで....
学生と教養」より 著者:倉田百三
クラテス以来最近のシェーラーやハルトマンらの現象学派の倫理学にいたるまで、人間の内面生活ならびに社会生活の一切の道徳的に重要な諸問題が、それを一貫する原理の探究....
生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
ります。私は一昨年でしたか、やはりお話を頼まれまして高野山で話をしたときに、私の内面生活というようなものは、そういうような人が期待するような清らかなものではない....
学問の自由」より 著者:寺田寅彦
に関する「事実」は、先ず大要以上のごときもののようである。 また一方、研究者の内面生活の方面から見た「自由」はどうかと見ると、これは全く個人個人の問題で、一概....
次郎物語」より 著者:下村湖人
とは、多分まだ読者の記憶にも残っていることだと思うが、この羞恥感は、その後の彼の内面生活の変化と共に、いくらかずつうすらいで行ったとはいえ、中学三年の二学期頃ま....
地上」より 著者:島田清次郎
一郎に生涯忘れることは出来まい。外部へ発すべき驚きが内部へ侵入して、複雑な彼女の内面生活へ脈々と波動して行く有様だ。夫人は灼きつくような瞳に非凡な彼女の全力を集....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
る。更に進んで故人の肉を描き血を流動せしめて全人格を躍動せしめようとするには勢い内面生活の細事にまでも深く突入しなければならないから、生前の知友としてはかえって....