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円やか
「円やか〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
円やかの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ナポレオンと田虫」より 著者:横光利一
レオンの腹の上では、今や田虫の版図は径六寸を越して拡っていた。その圭角をなくした
円やかな地図の輪郭は、長閑な雲のように微妙な線を張って歪んでいた。侵略された内部....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
の上では、今や田虫の版図は径六寸を越して拡《ひろが》っていた。その圭角をなくした
円やかな地図の輪廓は、長閑《のどか》な雲のように美妙な線を張って歪んでいた。侵略....
「日輪」より 著者:横光利一
たちの合唱は華やかな酒楽の歌に変って来た。そうして、林をぬけると再び、人家を包む
円やかな濃緑色の団塊となった森の中に吸われて行った。眼界の風物、何一つとして動く....
「蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
といい。酒の満ちた杯のように。今丁度、卓上の杯には酒が満ちている。電灯が映って、
円やかにぼーっと閃めき……。 あ。 俺は酒杯の中にいた。 空中を飛行してい....
「脳波操縦士」より 著者:蘭郁二郎
のような、澄み切った紺碧の空と、そして暖かい光線に充ち満ちていた。 こんもりと
円やかに波うっている豊かな土地は、何かしらこの私にさえ希望を持たせてくれるような....
「地上」より 著者:島田清次郎
い息づかいが髪の根を細かに揺がしている。背はやや低く小造りな身体だが、引き緊った
円やかな肉付と、白く透きとおった肌理の精密な皮膚とをお幸はもっていた。お幸は東京....
「お姫さまと乞食の女」より 著者:小川未明
い、青々とした野原や、花の咲く圃などを右に左に見ることができました。緑色の空は、
円やかに頭の上に懸かって、遠く地平線のかなたへ垂れ下がっています。春風は、遠くか....