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円タク
「円タク〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
円タクの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
れたような目でみて、 「これはどうもおそれいりました。いくらなんでも、この汽船は
円タクなどとはちがいまして、ガソリンなんぞ使いやいたしませんので……」 それを....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
そして自分でも恐ろしくなるほど頭がハッキリしていた。…… 通りへ出たとき一台の
円タクが、背後の方から疾風のように駆けてきたが、僕の姿を認めたらしく急にブレーキ....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
のちになって、それと気がつき、苦笑がこみあげてくるのだった。この杭州の片田舎に、
円タクの警笛の響きもないものである。 そのうちに彼は、知覚のまるで無い他人の手....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
れから如何になりゆくかについて、耳を聳てるのだった。 街を疾駆する洪水のような
円タクの流れもハタと止り、運転手も客も、自動車を路傍に捨てたまま、先を争うて高声....
「赤外線男」より 著者:海野十三
を全色盲と呼んでいる。軽い色盲でも、赤と青とが判別出来ないのであるから、うっかり
円タクの運転をしていても、「進め」の青印と、「止れ」の赤印とをとりちがえ、大事故....
「地獄街道」より 著者:海野十三
辻永はそういうが早いか、駅の門の方へスタスタ歩きだした。私は依然お伴である。
円タクを値切って八十銭出した距離に、そのビール会社の雲をつくような高い建物があっ....
「ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
かれると、私はすこし顔が赭くなるのだ。 兎に角、あれは省線の駅の近所まで出て、
円タクを拾うつもりで歩いていたのだった。連れが一人あった。帆村荘六なる男である。....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
袋をしっかりと握りながら、物珍らしげに、四辺を見廻したのだった。 そこへ一台の
円タクが来た。呼びとめて、車を浅草へ走らせる。
円タクに乗るのも、あれ以来だった。....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
、妾の家を探すのにたいへん手間どってやっとこの家を探しあてたので、待たせてあった
円タクを帰すために一度出て行って間もなく引返してくると、お手伝いさんから面会を断....
「地中魔」より 著者:海野十三
自動車の姿は小さくなってゆく。 「チェッ。まだ大通へ出られないのかなア」 「早く
円タクでもつかまえないと駄目だぞ」 「ああ、しめしめ。あっちからボロ貨物自動車が....
「東京要塞」より 著者:海野十三
し、この暴行を眼の前に見ながら、知らん顔をしているのであった。 折から一台の空
円タクが、スピードをゆるめてこの横丁に入ってきた。 「おい、運転手さん、ちょっと....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
座の木戸口へ飛出した。 たちまち群集の波に捲かれると、大橋の橋杭に打衝るような
円タクに、 「――環海ビルジング」 「――もう、ここかい――いや、御苦労でした―....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の建物にはあるまじき、ひょろひょろとした楽書の形になって彳む処に、お濠の方から、
円タクが、するすると流して来て、運転手台から、仰向けに指を三本出した。 「これだ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
球選手「ジョナソン氏」ノポスターノ裏。 カフス釦ニ星印アリ 未完成の割り算
円タクの中で、帆村はノートの中をしきりと覗きながら、頭をひねるのであった。 帝....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
川の水に変らないのである。 僕等は川蒸汽を下りて吾妻橋の袂へ出、そこへ来合せた
円タクに乗って柳島へ向うことにした。この吾妻橋から柳島へ至る電車道は前後に二、三....