円光[語句情報] »
円光
「円光〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
円光の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
んだんわかって来た。が、それは、かえってあの女に、双紙の中の人間めいた、不思議な
円光をかけるばかりで、少しも卑しいなどという気は起こさせない。無論、あの女は、時....
「第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
枝垂《しだ》れ柳《やなぎ》の下《した》に乳《ち》のみ児を抱《だ》いている妻の姿は
円光《えんこう》を負っているといわなければならぬ。子供はもう六歳をかしらに、乳の....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
ゅ》の花の陰も歩いています。彼等が随喜渇仰《ずいきかつごう》した仏《ほとけ》は、
円光のある黒人《こくじん》ではありません。優しい威厳《いげん》に充ち満ちた上宮太....
「葱」より 著者:芥川竜之介
は田中君を恋しているのに違いない。しかしその田中君は、実はお君さんの芸術的感激が
円光を頂《いただ》かせた田中君である。詩も作る、ヴァイオリンも弾《ひ》く、油絵の....
「路上」より 著者:芥川竜之介
からその心もちを通過する限り、野村の眼に映じた自然や生活は、いずれも彼自身の愛の
円光に、虹のごとき光彩を与えられていた。若葉も、海も、珊瑚採取も、ことごとくの意....
「少年」より 著者:芥川竜之介
と云うのは奇蹟《きせき》を行うのと同じことである。奇蹟は彼の職業ではない。美しい
円光を頂いた昔の西洋の聖者《しょうじゃ》なるものの、――いや、彼の隣りにいるカト....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
内部。「さん・せばすちあん」は頭を垂れ、洞穴の中を歩いている。すると彼の頭の上へ
円光が一つかがやきはじめる。同時に又洞穴の中も徐《おもむ》ろに明るくなりはじめる....
「人間失格」より 著者:太宰治
と来ないかも知れぬひとへの好意、自分には、その白痴か狂人の淫売婦たちに、マリヤの
円光を現実に見た夜もあったのです。 しかし、自分は、人間への恐怖からのがれ、幽....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
袍の光に照らされて、一間四方の空間が、彼を中心にして光っていた。ポッと明るい
円光の中を、深紅の袍が焔のように燃え、前へ前へと行くのであった。 彼の歩みは「....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
にうちのめされることはあるかもしれませんが、自分の心のなかに沈潜すると、まわりに
円光を背負った天の精霊のようになり、その環のなかへは悲しみも愚かさも入りこんでみ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ど見廻そうとはせずに、グッと正面へ眼をつけたままで歩調正しく歩いて来る。まさかに
円光とはいわれないけれど、異様に征服的の雰囲気とはいえる、そういう雰囲気が立って....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
した美辞麗句はめんめんと尽きないのである。 だが一方、この聖チェーホフの像から
円光を消すような証言も、眼をすえて見れば決して少くはない。 まず中学や大学の級....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
根を染めながら、目近き霧のうら枯を渡るのが、朦朧と、玉子|形の鶏を包んで、二羽に
円光の幻を掛けた。 「――そう言って、幾たびも、近常さんは臨終の際に、お年よりを....
「妖怪学」より 著者:井上円了
紫 仁徳天皇 三碧 聖徳太子 六白 弘法大師 二黒 菅原道真 三碧
円光大師 八白 親鸞聖人 八白 日蓮上人 五黄 一休和尚 三碧 役....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
累々とつまって盛り上った竹の籠を両手に擁えて、山坂などを上って来る。その髪の毛に
円光が立つ。私は或日、とある山道の曲り角でそうした童子と、突然に遭遇って実に驚い....