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円形
「円形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
円形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
二室の外は円《まる》天井の下に左右へ露台《ろだい》を開いた部屋だった。部屋も勿論
円形をしていた。そのまた
円形は廊下《ろうか》ほどの幅をぐるりと周囲へ余したまま、....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
さ》や十六|菊《ぎく》の中に朱の印を押した十円札は不思議にも美しい紙幣である。楕
円形《だえんけい》の中の肖像も愚鈍《ぐどん》の相《そう》は帯びているにもせよ、ふ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ンドぐらいの大河童《おおかっぱ》もいると言っていました。それから頭のまん中には楕
円形《だえんけい》の皿《さら》があり、そのまた皿は年齢により、だんだん固《かた》....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
しょういろ》を、どこまでも拡げているが、それと灰色の雲との一つになる所が、窓枠の
円形を、さっきから色々な弦《げん》に、切って見せている。その中に、空と同じ色をし....
「星座」より 著者:有島武郎
しているその母と二人だけで暮しているのだから。
客間をも居間をも兼ねた八畳は楕
円形《だえんけい》の感じを見る人に与えた。女の用心深さをもってもうストーヴが据え....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ている。この穹窿の北の方の部分には、一つは東、一つは西に、都合二つの穴の明いた半
円形の管が一本ある。朝になると太陽がその東の穴から出てきて、徐々に高く昇ってゆき....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
をこちらへ。 侍女三、四、両人して白き枝珊瑚の椅子を捧げ、床の端近に据う。大|隋
円形の白き琅※の、沈みたる光沢を帯べる卓子、上段の中央にあり。枝のままなる見事な....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
暗黒の空が、見る見るうちに狭くなっていくのだ。 奇妙にも、その残された黒い空は
円形をなしていた。その円の広さがだんだんに狭くなっていくのだ。晴天に大きな蛇の目....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
流仕掛で司令塔内より至極手軽に動かされるようになっていた。そういう設備の末の端が
円形のジャック孔となって、まるで電話交換台の展覧会というか、蜂の巣を壁いっぱいに....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、異香ほのぼのとして天上の梅一輪、遠くここに薫るかと、遥に樹の間を洩れ来る気勢。
円形の池を大廻りに、翠の水面に小波立って、二房三房、ゆらゆらと藤の浪、倒に汀に映....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
その後方に暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半
円形になった聴講者の腰掛がならべてあり、一列毎に段々と高くなり、その上には大向う....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
知らず、西洋種の見事な草花を真白な大鉢に植えて飾った蔭から遠くその半ばが見える、
円形の卓子を囲んで、同一黒扮装で洋刀の輝く年少な士官の一群が飲んでいた。 此方....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
常さんの一代の仕事として、博覧会へ出品しようとおもくろみなすったのが、尺まわりの
円形の釣香炉でしたとさ。地の総銀一面に浮彫の波の中に、うつくしい竜宮を色で象嵌に....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
らは半里で、およそ二時間かかる、頂の広さ十数歩、総て稜々した石塊、常念峰のような
円形のものは一つもない、東隅には方二寸五分高さ二尺の測量杭がたった一本。東南は信....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
品は、波型紙をさらにもう一枚の紙にのりづけしてあり、しかも波の型が三角形でなく半
円形で、弾力に富むものだった。当時は俗に「なまこ紙」といっていたが、私たちはこの....