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「円本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

円本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
円本流行の害毒と其裏面談」より 著者:宮武外骨
著作界の売名家、奇人変人中のニセ悪人 雑学大博士 外骨先生著 近来にない簡潔犀利の力作 一円本流行の害毒と其裏面談 熱烈の筆 痛快の論 辛辣と皮肉 好謔と善罵 拍案....
さようなら」より 著者:田中英光
る楽しさを読書とその空想によってのみ知り、英雄豪傑忍術使の講談本に倦きた頃、所謂円本流行時代が始まったので、明治以降の日本近代小説や世界の古典名作とされるものに....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
だった。すなわち、その煙突の頂上には、鉄筋コンクリートの中に隠れて、仙台放送局の円本博士が発明したM式マイクロフォンが麒麟のような聴覚をもち、逓信省の青年技師|....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
公論」) 読書雑感 なんと云っても此の頃は読書子に取っては恵まれた時代である。円本は勿論、改造文庫、岩波文庫、春陽堂文庫のたぐい、二十銭か三十銭で自分の読みた....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
踊なんかに笑い興じて、しばらく雑談に花が咲いた。新聞の小説の噂、文壇のゴシップ、円本の売れ高、等々。 「そのうち一度二日会のピクニックおやりになりません?」 「....
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
らしき時代のトルストイも、ドストエフスキイも出現しないように見受けられる。日本で円本の乱出のために芸術小説が行詰ったなぞというのは、浅薄《あさはか》な考え方であ....
一本の花」より 著者:宮本百合子
ですよ。比べて見れば、誰だってほかの雑誌がやすくって面白いと思うんだもの」 一円本の話が出て、それに矢崎も加わった。 「娘がやかましく云うんで、小学生全集をと....
読書の今昔」より 著者:寺田寅彦
てもらえるようである。 それにしても神保町の夜の露店の照明の下に背を並べている円本などを見る感じはまずバナナや靴下のはたき売りと実質的にもそうたいした変わりは....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
目をそばだたせるような珍しい偏位現象は一寸なくなったということなのだ。 例えば円本洪水時代を取って見ると、社会の一般事情は別にアブノルマルではなかったのだが、....
生前身後の事」より 著者:中里介山
巻」は大部分隣人之友一部分は新たに書き足して今日に至っているのであるが、その間に円本時代というのがある。 円本時代というのは改造社の創案で日本の出版界に大洪水....
被尾行者」より 著者:小酒井不木
ましょう」 「いえ、いいんです。食べたくないんです」 いつもならば、机に向って円本の一冊を開くのだが、今夜はとてもそんな気になれなかった。急いで床をとって寝よ....
昭和四年の文壇の概観」より 著者:平林初之輔
い。紫式部を先祖にもつ閨秀作家たちの奮起をのぞんでやまない。 一二 文学者の貧化円本の濫出、出版資本の集中は、ついに、出版恐慌を現出し、それはとうぜん作家にも影....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
いても欲しいものが自由に求められることになっているが、今より十数年前は予約出版の円本が流行して一世を風靡したのである。この流行によって学芸が一般に普及した功績は....
読書雑感」より 著者:岡本綺堂
何といってもこの頃は読書子に取っては恵まれた時代である。円本は勿論、改造文庫、岩波文庫、春陽堂文庫のたぐい、二十銭か三十銭で自分の読みた....
申訳」より 著者:永井荷風
には一夜に三四人も出て来るようになった。春陽堂と改造社との両書肆が相競って全集一円本刊行の広告を出す頃になると、そういう一面識もない人で僕と共に盃を挙げようとい....