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「円蓋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

円蓋の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
るべし ところが、法水はすぐ鼻先の拱廊へは行かずに、円廊を迂回して、礼拝堂の円蓋に接している鐘楼階段の下に立った。そして、課員全部をその場所に召集して、まず....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
の名が、白系露人の非運と敗北の象徴に過ぎなくなり、いつかの日彼等の薔薇色であった円蓋の上には、政治的にも軍事的にも命脈のまったく尽きたロマノフの鷲が、ついに巨大....
光と風と夢」より 著者:中島敦
れ又一つの森のように叢《むら》がり茂っている。枝々の群は、一つの途方もなく大きな円蓋《ドーム》だ。それは層々※々と盛上って、明るい西空(既に大分夕方に近くなって....
ルバイヤート」より 著者:小川亮作
56 天に聳えて宮殿は立っていた。 ああ、そのむかし帝王が出御の玉座、 名残りの円蓋で数珠かけ鳩が、 何処、何処とばかり啼いていた。 無常の車 57 ....
台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
ンである。そのために井手氏は、台湾に於ける新たな廟形式を考えた。煉瓦造りの本屋に円蓋をそばだたせ、左右に翼を張り、瓦屋板を前方につきだし、広い深閑たる土間を礼拝....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
停って、僅かばかりの人が降りて行った。 窓をおし開けて見ると、昇降場の磨硝子の円蓋《ドーム》には水蒸気が白くたち罩め、その天井の高いところから、絶えず滴がたれ....
三人の師」より 著者:上村松園
などの方々がそれぞれ一家をなしていられたが、景年先生なども月を描かれる時には丸い円蓋とか丸い盆、皿などを用いられて描かれていたが、松年先生は決してそのような器具....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ラヴァの声。湧き返るような大喝采《だいかっさい》、大歓呼のうちに、やがて、砲塔の円蓋を排して現われたのは、眉美《まみうるわ》しき一人の東洋的令嬢《にほんのおじょ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
ちかかろうとする怪偉な山容は、これぞアルプスの大伽藍《だいがらん》モン・ブランの円蓋《えんがい》。 ガイヤアルのあとに続きますのは狐のコン吉。小山のようなルュ....
古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
及ばない。なんにも補う必要はない。ただながめて酔うのみである。 中央には美しい円蓋の下に、珍しい形をした屏障の華やかな装飾をうしろにして阿弥陀如来が膝を組んで....
三国志」より 著者:吉川英治
葉の落ちる音ばかりだ。 しばらくたたずんでいると、童子の歌う声がする。 蒼天は円蓋の如し 陸地、碁局に似たり 世人|黒白して分れ 往来に栄辱を争う 「おうい、....