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「円通〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

円通の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ではあるまいかと恐れられて、文字春は実に生きている空もなかった。 かれは程近い円通寺のお祖師様へ日参をはじめた。 四 津の国屋の女房お藤の怪我はど....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
塚孫八という侍がたずねて来て、御主人にお目にかゝりたいと云い込みました。黒鍬組は円通寺の坂下にありまして、御家人のなかでも小身者が多かったのです。市川さんは兎も....
連環記」より 著者:幸田露伴
倒の情を発して、大にこれを悦び、紫衣束帛を賜わり、上寺にとどめ置かせたまいて号を円通大師と賜わった。前世因縁値遇だか何だかは知らぬが、此頃寂照は丁謂と相知るに至....
三つの挿話」より 著者:堀辰雄
を通ってみることにした。 そのころ常泉寺の裏手にあたって、小さな尼寺があった。円通庵《えんつうあん》とか云った。丁度その尼寺の筋向うに、ちょっと通り抜けられそ....
花を持てる女」より 著者:堀辰雄
一 私はその日はじめて妻をつれて亡《な》き母の墓まいりに往《い》った。円通寺というその古い寺のある請地町《うけじまち》は、向島《むこうじま》の私たちの....
」より 著者:岡本綺堂
たなければならない。さりとて、往来にさまよっていては人目に立つと思ったので、彼は円通寺に近い一軒の茅葺き家根をみつけて駈け込んだ。 「彰義隊の者だ。日の暮れるま....
茶屋知らず物語」より 著者:岡本かの子
元禄|享保の頃、関西に法眼、円通という二禅僧がありました。いずれも黄檗宗の名僧|独湛の嗣法の弟子で、性格も世....
円朝花火」より 著者:正岡容
「もう私は、東京の寄席へはいっさい出ないから」 と、当時、新宿北町に結んだ草庵円通堂に閉じこもり、禅三昧に俗塵《ぞくじん》を避けた。 わずかに、翌二十五年九....
法然行伝」より 著者:中里介山
これを前の真影に押して敬い掲げた。これは首楞厳経《しゅりょうごんぎょう》の勢至の円通の文である。 又或人が法然の真影を写して銘を頼んだ時もこの文を書いてやった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
さし当って目下の場合は硬であっても、実はその中にいつでも柔の用意がある。この自由円通を備えていて、はじめて自分は大生命に繋がる生命の一部なのです。そしてその生命....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
を凝らしては、せっかくの茶味が損じまする。剣ならば、体ばかり固うなって、心と刀の円通というものを失うでござりましょうが」 「はい」 武蔵は、思わず頭を下げて、....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
というのは、何を意味するか、自分にも分らないので、日時を費やしていたが、曾根の円通寺住職杉田宗直氏に照会してみたところやっと分った。 円通寺は花園妙心寺系の....