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円頂
「円頂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
円頂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女」より 著者:芥川竜之介
さらにもう一天井《ひとてんじょう》、紗《しゃ》のような幕を張り渡した。幕はまるで
円頂閣《ドオム》のような、ただ一つの窓を残して、この獰猛《どうもう》な灰色の蜘蛛....
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
時の著名な建築家ウォロニヒンをして造営せしめた大伽藍(一八一一年竣工)で、優美な
円頂閣やコリント式の豪華な柱廊に結構をきわめている。 スパニエル――愛玩用の小....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
ずから谷地を暗示している)の四周に、あるいは尖塔《ピンネークル》となり、あるいは
円頂塔《ドーム》となって、簇《むら》がり立っているが、神河内は、その大山峻立の底....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の留守宅へ宛て返事を書いた。 「手紙見た。丁度金の欲しい所であるから、折角の十万
円頂戴する事にしよう。忘れずに用意をして置け」 手紙はそんな意味だった。 支....
「槍ヶ岳第三回登山」より 著者:小島烏水
峡間を開いて、ちょろちょろと音をさせている。 右の方を仰ぐと、赤沢岳が無器用な
円頂閣のように、幅びろく突ッ立って、その花崗岩の赤く禿げた截断面が、銅の薬鑵のよ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
っきり白い、夜目にもそれと分る程にくっきりと白いのです。のみならずその面ざしは、
円頂僧衣の姿に変ってこそおれ、初い初いしさ、美しさ、朝程霧の道ではっきり記憶に刻....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
のように赤くなった、その前に立った日本北アルプスの峰々は、猩紅色や、金粉を塗った
円頂閣となり、色彩の豊麗な宝石を鏤ばめた、三角の屋根となった。 見る見るその雲....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いる小路を取って、大通りを離れた。すると、間もなく屋根の上に風信機を頂いた小さな
円頂閣のある、そして、その
円頂閣に鐘の下がっている、どす赤い煉瓦の館へ近づいて行....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
穏かではあったけれど、威厳のある老女の声であった。 つと立ちいでた人物がある。
円頂黒衣鼠色の衣裳、手に珠数をつまぐっている。眉長く鼻秀で、額は広く頤は厳しい。....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
、東から長七郎、地蔵、荒山、鍋割、鈴ヶ岳と西へ並んでいるが、主峰黒桧は地蔵ヶ岳の
円頂に掩い隠されて、姿を現わさない。 私は、五月から六月上旬へかけての赤城が一....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
二重の羽織を長めに著て、小刀を腰にした反身の立姿が立派で、医者坊主などといわれた
円頂の徒とは違うのでした。 その
円頂のことですが、森の親戚に西という家がありま....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
限りなく重なり合い鋼鉄の尺木の顎に花を咲かせている照明燈。金魚がマホメット本寺の
円頂塔に立籠って風速に嚮っている、それをコルクの砂漠に並んでアネモネの花が礼拝し....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
奈良法師など、その他各地の諸大寺にあって悪僧というありがたからぬ称号を与えられ、
円頂|緇衣に太刀を帯びて戦闘に従事した僧兵なるものの中にも、本来は三善清行のいわ....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
げる。奥白根の渋色のドームが南の空に半ば雲に包まれている。行手には四郎岳らしい鈍
円頂が雲から吐き出されたように不意に木の間から姿を見せた。 小さな隆起を二つ許....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
これは劒の後衛だけに鋭い圭角が大鋸の歯を刻んでいる。大窓の北は白兀、赤兀の奇醜な
円頂から、白萩、赤谷と緩く波を打った山稜が小黒部谷の西を限って、直ぐ前の猫又山の....