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冗
「冗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
か、わかりゃしないよ。」
こう言って、老婆は、まばらな齒を出して、笑った。
「
冗談じゃない。――それより、今夜の相手は、曲がりなりにも、藤判官《とうほうがん》....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
のにかけると、とんと無器用でね。もっとも一時はやったこともあるが。」
「そりゃ御
冗談で。」
「いや、まったく性に合わないと見えて、いまだにとんと眼くらの垣覗《か....
「母」より 著者:芥川竜之介
たものさえ。
「莫迦《ばか》な事をするなよ。――」
男は葉巻を投げ捨てながら、
冗談《じょうだん》のように妻を叱った。
「第一あの何とか云った、お隣の奥さんにも....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
いな?」
からかうようにこういったのは、木村という電気会社の技師長だった。
「
冗談《じょうだん》いっちゃいけない。哲学は哲学、人生は人生さ。――所がそんな事を....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
逃れられまい。ただいつ始まっていつ終るか、予が気がかりなのはそれだけじゃ。」と、
冗談のように仰有《おっしゃ》いますと、御姫様はとんと拗《す》ねたように、大殿油《....
「影」より 著者:芥川竜之介
ったら、私はこのまま気違《きちがい》になるかも知れないわね。」
「奥様はまあ、御
冗談《ごじょうだん》ばっかり。」
老女は安心したように微笑しながら、また紅茶の....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野は始終愉快そうに、ちびちび杯《さかずき》を嘗《な》めていた。そうして何か
冗談《じょうだん》を云っては、お蓮の顔を覗《のぞ》きこむと、突然大声に笑い出すの....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
《なんどき》うちなんぞも、どんな事になるか知れないんだから、――」
賢造は半ば
冗談のように、心細い事を云いながら、大儀そうに食卓の前を離れた。それから隔ての襖....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ょいと悪戯《いたずら》をする気になったのです。しかしした事は悪戯でも、云った事は
冗談ではない。――僕はこう云う人間です。」
老紳士はポケットをさぐって、一枚の....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
「第×聯隊だ。」
「パン聯隊だな。」
江木上等兵は暗い顔をしたまま、何ともその
冗談《じょうだん》に答えなかった。
何時間かの後《のち》、この歩兵陣地の上には....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
んげん》も守らせ給え、謹上再拝《きんじょうさいはい》とつけてやった。」
「悪い御
冗談《ごじょうだん》をなさいます。」
わたしもさすがに笑い出しました。
「する....
「運」より 著者:芥川竜之介
《にっさん》でもして見ようか。こう、うだつが上らなくちゃ、やりきれない。」
「御
冗談《ごじようだん》で。」
「なに、これで善い運が授《さず》かるとなれば、私だっ....
「女仙」より 著者:芥川竜之介
ずれている訣です。」 「年上のものを? この木樵りはわたしよりも年下です。」 「
冗談を言ってはいけません。」 「いえ、
冗談ではありません。わたしはこの木樵りの母....
「寡婦」より 著者:秋田滋
めて、 「よござんすか、僕を棄てたら、自殺をしますよ」 私も、その時になって、
冗談がちと過ぎていたことにようやく気がつきましたので、それからは少し慎しむように....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
どんな場合でも必ず利点や愉快なことがあるはずです。もっともそれは、わたくしどもが
冗談をすなおに受けとればのことですが」 「そこで、悪魔の騎士と競走することになっ....