冗談半分[語句情報] » 冗談半分

「冗談半分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冗談半分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老妓抄」より 著者:岡本かの子
、彼の額から脂汗《あぶらあせ》がたらたらと流れた。 みち子はその行動をまだ彼の冗談半分の権柄ずくの続きかと思って、ふざけて軽蔑《けいべつ》するように眺めていた....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うとした。それは子供のよくするいたずらである。ませているようでもまだ十六の彼は、冗談半分にこうして障子の紙をやぶった時に、内からそれを見ていたお此は、これも冗談....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あたしもう姉さんの方へ行くわ」 お粂は笑いながら女房のいる方へ起ってしまった。冗談半分に聞き流していたものの、妹の鑑定はなかなか深いところまで行き届いていると....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
息子だろう、お城の玄関前で踊った奴には五十両やるとか、歌った奴には百両やるとか、冗談半分に云い出したのが始まりで、おれがやるという剽軽者《ひょうきんもの》があら....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、その馬はとお角が声をかけると、平吉は眼で制して、おめえも一匹引っ張って来いと、冗談半分に云って行き過ぎると、お角もひどい奴、女のくせに平吉の真似をして、これも....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ええ。三人のなかでは建具職の藤次郎という奴が一番あとから出て来たんです。そいつが冗談半分に庄五郎の声色《こわいろ》を使って、鋳掛屋の門をたたくと、女房は寝入って....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
。ほんとうにその鯉を取って来て下さるなら、我々もその御相伴にあずかりたいものだと冗談半分にがやがや云うと、お糸はどうぞ暫くお待ちくださいと云って座を起った。こっ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ば生の胡瓜を食うもの、河童の棲家といえば源兵衛堀にあるというように、一般の人から冗談半分に伝えられて、中にはほんとうにそれを信じている者もあったらしい。半七は笑....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
かったのですが、さぞ寒いだろう、ここへ来て炬燵にあたれと言ってくれました。相手は冗談半分に言ったのでしょうが、それを聞いてわたしは無暗に嬉しくなりまして、からだ....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
人の小児とが集まって博奕をしているのであった。卒は大胆な男であるので、進み寄って冗談半分に声をかけた。 「おい。おれにも銭をくれ」 彼が手を出すと、諸人は黙っ....
水鬼」より 著者:岡本綺堂
なずいた。 「あらいやだと思って、わたくしは思わず身をひこうとすると、市野さんは冗談半分でしょう、そら幽霊が取り付くぞと言って、その草をわたくしの胸へ押し込んだ....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
いた。 こうして幾年かを無事に送っているうちに、源兵衛はあるとき彼にむかって、冗談半分に言った。 「源蔵は鎌倉へ行ってしまって、もうここへは戻って来ないだろう....
放し鰻」より 著者:岡本綺堂
富礼を買ってみた。 「どうだね。まだ放しうなぎは……。」と、橋番のおやじは時どき冗談半分に訊いた。 平吉はいつも苦い顔をして首をふっていた。それがいよいよきの....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
こんな事もあった。お杉が門に立って米を乞うた時に、或人が一合ばかりの米を与えて、冗談半分に斯う云った。「お前も知っている通り、飛騨の国は米が少いのだから、之を十....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、というのだった。そう話す様子は平静らしく見えた。首を刎ねる、などという言葉も、冗談半分の、強がりの一句でもあったろう。しかも、彼女はすばやく話題を他に持ってい....