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冗談口
「冗談口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冗談口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の手紙を見ない前でもあなたのあの電話の口調には……電話だったせいかまるでのんきな
冗談口のようにしか聞こえなかったものだから……ほんとうをいうとかなり不快を感じて....
「星座」より 著者:有島武郎
薦《すす》めようとはしなかった。
送り手の資格について六人の青年の間にしばらく
冗談口《じょうだんぐち》が交わされた。六人といっても園だけは何んにもいわなかった....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
せていた。 日頃の京吉は、友達の坂野よりも、むしろ細君の芳子の方へ、ペラペラと
冗談口を利いていた。口は悪いが、しかし、それが一種の愛嬌になっていて、芳子も京吉....
「競馬」より 著者:織田作之助
は背中に一文字でね。十七の年からもう二十年背負っているが、これで案外重荷でねと、
冗談口の達者な男だった。十七の歳から……? と驚くと、僕も中学校へ三年まで行った....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
煮て喰いも焼いて喰いもせぬゆえ、大丈夫じゃ。では、借用するぞ」 愛撫のこもった
冗談口を叩いていましたが、やにわと京弥に言いました。 「今朝ほど、腕が鳴ってなら....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
「月給があがったんだろう! 貸し給え」 以前はそういうことはなかった。むだな
冗談口ひとつ敲くようなことはなかったのだ。無口だが、しかしたとえば編輯会議などで....
「世相」より 著者:織田作之助
けっこありませんよ。石コロもあれば、搗き立ての餅もあります」日頃の主人に似合わぬ
冗談口だった。 その時、トンビを着て茶色のソフトを被った眼の縁の黝い四十前後の....
「白蛇の死」より 著者:海野十三
らな」 「何んですねえ、親分。冗談じゃねえ」 「なに! 女房が殺されたってのに、
冗談口を利く亭主が何処にある。てめえの為を思うから言ってやるんだ。後世の事を思っ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
員にきくことがあっても、製罐部の方へは行かないのだ。 相手の胸にこたえるような
冗談口をさがして、投げ合いながら、皆ゾロ/\階段を食堂へ上って行った。上から椅子....
「恐竜島」より 著者:海野十三
劇場で一ヶ年のロングショウになる」 カメラをおさめながらダビットの、相変らずの
冗談口《じょうだんぐち》がつづく。 博士はどうしているだろう。少女ネリは無事か....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た。軽快な言葉つきや態度などが、いよいよ軽快になるばかりであった。そうして得意の
冗談口や、洒落や滑稽や逆説などが口を突いてほとばしり出るばかりであった。
十分....
「四月馬鹿」より 著者:織田作之助
田さんは少しも報道班員の臭みを身につけていなかった。帰途大阪へ立ち寄って、盛んに
冗談口を利いてキャッキャッ笑っている武田さんは、戦争前の武田さんそのままであった....
「道」より 著者:織田作之助
のだ。亀のようにむっつりとしていた男が見ちがえるほど陽気になって、さかんにむだな
冗談口を叩く。少しお饒舌を慎んだ方が軽薄に見えずに済むだろうと思われるくらいであ....
「大阪の可能性」より 著者:織田作之助
阪に育って小説を勉強している人でも、大阪弁が満足に書けるとは限らないのだ。平常は
冗談口を喋らせると、話術の巧さや、当意即妙の名言や、駄洒落の巧さで、一座をさらっ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
に於てをやなんど、そんな勝手な考えが忽ち持上って、矢張お綾が給仕に来ると、どうも
冗談口を利かずには済まされぬのであった。 秋には近いがまだ却々に暑かった。奥二....