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「写す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

写すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
自身の想像に描いて見るよりほかはない。何故と云えば、それらを活々《いきいき》と描写する事は、単なる一学究たる自分にとって、到底不可能な事だからである。 が、も....
映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
ちまえの表現形式があまりにも具体的でありすぎるため、癩者の現実を直接かつ率直に描写することは最初からまったく許されない運命にある。すなわち癩のあらわれとしての最....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
ワシントンへ凱旋したのであった。 それから後の話は、むしろ金博士の部屋に於て描写するのがよいであろう。 金博士は、珍らしく新聞を読んでいる。その翌日の夕刊紙....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
やかに、毬栗を挟んでも、ただすんなりとして、露に褄もこぼれなかった。――この趣を写すのに、画工さんに同行を願ったのである。これだと、どうも、そのまま浮世絵に任せ....
「吶喊」原序」より 著者:井上紅梅
をめくって見て、研究的の質問を発した。 「何にするんでもない」 「そんならこれを写すのはどういう考ですな」 「どういう考もない」 「あなたは少し文章を作ってみる....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
どんな様子のものかまつたく知らない。したがつて作家としての私は投票場のシーンを描写する能力がなく演出家としての私は投票場のシーンを演出する能力がない。そして、そ....
昔のことなど」より 著者:上村松園
先生が思い出話をしていられた内にこんなことを話されました。 楳嶺塾である時絵巻を写すことになり、当番を作って毎日何人かずつ一緒に通っては仕事をさされたが、ある日....
花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
ある。 このことは「草紙洗小町」にも用いたのであるが、狂人の顔を描くのと能面を写すのとあまり変らないようであった。 もともと「花がたみ」の能には小面、孫次郎....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
をお目に掛ける知己がない。遠いが花の香と諺にもいう、東京の山の手で、祇園の面影を写すのであるから、名妓は、名妓として、差支えないであろう。 また、何がゆえに、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
姿も見しょうとする。……遊女、白拍子はまだしも、畏多いが歌の住吉明神のお声だって写すんです。謡本と首引きで、朱筆で点を打ったって、真似方も出来るもんか。 第一....
鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
しているかと訊くと、その頃地学雑誌に連掲中の「鉱物|字彙」であった。ソンナものを写すのは馬鹿馬鹿しい、近日|丸善から出版されるというと、そうか、イイ事を聞いた、....
土田さんの芸術」より 著者:上村松園
だった様に覚えている。 その頃奈良に工藤精華という八十幾歳かのお爺さんで写真を写す一風変った人があって、まだ御維新で充分に整理のついていない社寺の仏像や絵巻な....
想い出」より 著者:上村松園
して、娘なら娘の着付を致し、色々の姿勢を自分で致しまして写しとり、ある時は左手で写すなど色々苦心致しまするが、自分自身でございまするから、誰に遠慮気兼ねもなく、....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
たちまち発汗す。夕陽の没せんとするや、満天紅を流し、その自然の美は到底画工のよく写すところにあらず。当夕九時、まさしく赤道を経過す。ときに汽笛一声を放ちてこれを....
松の操美人の生埋」より 著者:宇田川文海
するに奇を専らにし、圓朝氏が洋の東西、事の古今、人の貴賤を論ぜず、其の世態人情を写すに妙を得たるを知り、彌仰慕の念に耐ず、一囘之を見聞せんと欲するや極めて切なり....