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写出
「写出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
写出の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
のだろうか。 ありきたりの言葉、ありきたりのスタイルを以てしても、過不足なく描
写出来たと思い込んでしまうのは、自分の人間観察力に与える秩序の正しさを過信してい....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
。 私は『釈迦譜』を選んだ。あの本の中には、王子の一生が一篇の戯曲を読むように
写出してある。あの中から私は釈迦の父王の話、王子の若い友達の話なぞを借りて来て話....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
く芸術と哲学とはこの内部生命の表現的努力の二途である。ただ前者が具体的に部分的に
写出する内部経験を後者は概念の様式をもって、全体として(as a whole)統....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
下から、たらたらと流るる鮮血が、雨路に滴って、草に赤い。 私は話の中のこの魚を
写出すのに、出来ることなら小さな鯨と言いたかった。大鮪か、鮫、鱶でないと、ちょっ....
「科学論」より 著者:戸坂潤
覆なのである。 ではなぜ意識は自分とは明らかに別なものであるこの物を、反映・模
写出来るのか、と問うかも知れない。それが出来るか出来ないかが、抑々カントの天才的....
「文学への実感について」より 著者:豊島与志雄
一般にも通用する常識である。現実を如何に如実に描写しようとしても字義通り如実に描
写出来るものではなく、必ず足りない所があるものであって、この不足の部分、マイナス....
「西航日録」より 著者:井上円了
つとして樹木の鬱蒼たるものなく、満目荒涼、殺風景を極む。あたかも東洋諸邦の形勢を
写出せるがごとし。しかるにシンガポールに至り、はじめて本邦の山水に接するの思いを....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
後に聞くに、政府印刷局全焼せりという。当夜寝牀にありて、リオ港の実況を詩をもって
写出す。 遼港風光称。 (遼港の風光は絶佳と称してよい。山は湾を襟のごとくとりか....