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「写真版〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

写真版の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
彼 第二」より 著者:芥川竜之介
《ガラス》に雪のつもった、電燈の明るい飾り窓の中にはタンクや毒瓦斯《どくガス》の写真版を始め、戦争ものが何冊も並んでいた。僕等は腕を組んだまま、ちょっとこの飾り....
路上」より 著者:芥川竜之介
「ええ、近藤さんの木版画と、花房さんや私《わたし》の油絵と――それから西洋の画の写真版とを陳列しようかと思っているんです。ただ、そうなると、警視庁がまた裸体画は....
将軍」より 著者:芥川竜之介
―急にため息を洩らした。 室の壁にはどこを見ても、西洋の画《え》の複製らしい、写真版の額《がく》が懸《か》けてあった。そのある物は窓に倚《よ》った、寂しい少女....
人間失格」より 著者:太宰治
ーギャン、セザンヌ、ルナアルなどというひとの絵は、田舎の中学生でも、たいていその写真版を見て知っていたのでした。自分なども、ゴッホの原色版をかなりたくさん見て、....
追憶」より 著者:芥川竜之介
レオンの肖像だのライオンだのを描く洋画家だった。 僕が当時買い集めた西洋名画の写真版はいまだに何枚か残っている。僕は近ごろ何かのついでにそれらの写真版に目を通....
俗天使」より 著者:太宰治
ら、家の者は、かまいません、と答えた。傍にミケランジェロの「最後の審判」の大きな写真版をひろげて、そればかりを見つめながら箸を動かしていたのであるが、図の中央に....
火星兵団」より 著者:海野十三
社は、どこからか、その記念写真をさがし出して来て、千二の顔だけを大きく伸ばして、写真版につくりあげたのである。思出のふかい写真から、複製したものだったのである。....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
破られたりします。或いは贋造紙幣を製造したりする男が出来たり、或いはドランの絵を写真版からコピーして展覧会へ持ち出したりします。その他自分を偉く見せるために、支....
油絵新技法」より 著者:小出楢重
破られたりします。或いは贋造紙幣を製造したりする男が出来たり、或いはドランの絵を写真版からコピーして展覧会へ持ち出したりします。その他自分を偉く見せるために、支....
呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
出て、何か言ったのであったが、独逸公使の次に額ひろく、眼光鋭く、鬚が豊かで、後年写真版で見たニイチェの鬚のような鬚をもったひとりの学者が、プッチール氏から教を受....
山中常盤双紙」より 著者:寺田寅彦
全十二巻の詞書というものを売っていたので買ってみると、詞書の上段に若干の画面の写真版が並んでいて、その中には上記のカットされたもののうちの二、三があるので大抵....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
刊された医学雑誌であるが、その中には法医学上貴重な参考になるべき、特種な縊死体の写真版が載っていたのだった。この雑誌は日本に来ているのは極く少数である許りでなく....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
三十年のものでも、判然と今も目に浮かびます。けれど、その後便利な世の中になって、写真版などで見たものは、その時はよく覚えていても、直にすっかり忘れてしまいます。....
縮図帖」より 著者:上村松園
描写し得る。これは苦労しているからである。 よく展覧会とか博物館などから複写の写真版を買ってくることがあるが、それらは自ら苦労していないからその複写をみても原....
金山揷話」より 著者:大鹿卓
視される鉱脈が相当に発見されたと書いてあって、林間に天幕を張って探鉱に従っている写真版まで添えてあった。私はそれを森山の前へ差し示し、 「いよいよ徳川家康の山例....