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写真館
「写真館〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
写真館の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
……
東京。
突然『影』の映画が消えた時、私は一人の女と一しょに、ある活動
写真館のボックスの椅子に坐っていた。
「今の写真はもうすんだのかしら。」
女は....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
いそんなことは出来ません。何しろ達雄は飯を食うために、浅草《あさくさ》のある活動
写真館のピアノを弾《ひ》いているのですから。
主筆 それは少し殺風景ですね。
....
「みちのく」より 著者:岡本かの子
《しだ》れている。それから五六|軒《けん》置いて錆《さび》朽《く》ちた洋館作りの
写真館が在る。軒《のき》にちょっとした装飾《そうしょく》をつけた陳列窓《ちんれつ....
「M侯爵と写真師」より 著者:菊池寛
浦のやつすっかり得意になって、 「俺も、今度会ったらそういおうと思っているんだ。
写真館を開業する資金でも出してくれるといいなあ」 などといっていました。M侯爵....
「河明り」より 著者:岡本かの子
ヒンズー教の精力的な寺院の空気にも相応わしかった。そればかりでなく、この地の活動
写真館のアトラクションで見た暹羅のあのすばらしく捌きのいい踊りを眺めていた時の彼....
「わが町」より 著者:織田作之助
た顔を想った。 6 ある夜おそく、折箱の職人の家に間借りしている活動
写真館の弁士がにやにや笑いながらはいって来て、どす濁った声で言うのには、 「他あ....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
倉邸に出入した怪しい男は石子刑事の訊問に平然と答えた。 「そうです。ついこの先の
写真館です」 「ふむ、で、何の用でこの夜更にこゝへ来たのかね」 石子刑事は意気....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
杉田はその後について店を出た。張は共楽街の大通をすたすたと歩いていった。活動
写真館の小屋がある。覗屋台がある。餅みたいなものを焼いて売っている店がある。ぴー....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
すきなことをしゃべりちらして喜んでいるだけである。中村は手塚が昨日不良少女と活動
写真館からでたのを見た、そうして後をつけていくと洋食屋へはいったというのであった....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
じゃらしが、小糠虫を、穂でじゃれて、逃水ならぬ日脚の流が暖く淀んでいる。 例の
写真館と隣合う、向う斜の小料理屋の小座敷の庭が、破れた生垣を透いて、うら枯れた朝....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
、義太夫の隆盛に連れて明治二十六年には神田錦町に新声館が建てられた。今日では活動
写真館になっているが、元来は人形芝居の小屋として作られたもので、大阪の文楽と東西....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
よりも一層堕落していた明治の初年の宗教破壊気分を想像される。 浅草は今では活動
写真館が軒を並べてイルミネーションを輝かし、地震で全滅しても忽ち復興し、十二階が....
「わが町」より 著者:織田作之助
それから一年経ったある日。〆団治が君枝と次郎を千日前へ遊びに連れて行き、ふと電気
写真館の陳列窓を覗いて、 「君ちゃん。見てみイ。お前のお父つぁんとお母んの写真が....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
さして二人並んで歩くにも困難な程だったのを、私は今でも微かに記憶している。今活動
写真館になっている文明館が同じ名前の勧工場だったが、何でもその辺から火事が起って....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
をとった。その時分からあったのがいまの「大増」の手まえを木深くおくへ入った「大橋
写真館」である。「大増」のところには、その時分、浅草五けん茶屋の一つにかぞえられ....