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「写象〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

写象の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
かのように」より 著者:森鴎外
う。ところが、そう云う意味の事実と云うものは存在しない。事実だと云っても、人間の写象を通過した以上は、物質論者のランゲの謂《い》う湊合《そうごう》が加わっている....
ヰタ・セクスアリス」より 著者:森鴎外
、その作中の人物が、行住|坐臥《ざが》造次|顛沛《てんぱい》、何に就けても性欲的写象を伴うのを見て、そして批評が、それを人生を写し得たものとして認めているのを見....
青年」より 著者:森鴎外
を歩きながら、己は坂井夫人の人と為りを思った。その時己の記憶の表面へ、力強く他の写象を排して浮き出して来たのは、ベルジック文壇の耆宿 Lemonnier の書い....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
むしろヴントらと立脚地を同じくせる絶対論者である。ヴントが黄金期の認識として説く写象客観(Objektvorstellung)のごとく、主観と客観との差別のない....
詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
とから、語感に於ける気分や情調を表現し得る。そして近代に於ける多くの詩(象徴派、写象派、未来派等)が、特にこの点を重要視することは、人の知っている通りである。 ....
リギ山上の一夜」より 著者:斎藤茂吉
くれたのであったが、今も僕は Rigi 山上にあってそれらの絵を思いおこし、その写象は一種の現実性を帯びて僕の眉間にあらわれるのであった。けれども僕はそういう静....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
味の内容がただこれだけで取りたてていうべき曲が無いが、単純素朴のうちに浮んで来る写象は鮮明で、且つその声調は清潔である。また単純な独詠歌でないと感ぜしめるその情....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ないからである。如法の黒闇がすべてを領していた。経過した一々の事象も内心に何らの写象をもとどめていない。殆ど空無であるその心理状態を強いていえば、ただ「暗い」と....
」より 著者:森鴎外
にいるなと戒める。少壮な身を暖い衾の裡に置けば、毒草の花を火の中に咲かせたような写象が萌すからである。お玉の想像もこんな時には随分|放恣になって来ることがある。....