冠絶[語句情報] » 冠絶

「冠絶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冠絶の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
押絵の奇蹟」より 著者:夢野久作
市に、ヒポクラテスとなん呼べる老医師あり。その徳望と、学識と、手腕と、共に一世に冠絶せる人物なりしが、この事を伝え聞くや態々《わざわざ》王の御前《ごぜん》に出頭....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
たものであった。恐らくこれらは、古代時計の蒐集として、世界に類を求め得ないほどに冠絶したものに違いなかった。しかし、その中央で王座のように蟠って君臨しているのが....
川中島合戦」より 著者:菊池寛
実業家の歌などよりは、はるかにうまい。 また兵学に精通し、敬神家で、槍は一代に冠絶し、春日の名槍を自在に繰り、剣をよくして、備前|長船小豆長光二尺四寸五分の大....
惜別」より 著者:太宰治
に溌剌たる科学の剣を握っていたならば、列国も之には一指もふれる事が出来ず、世界に冠絶した理想国家となるに違いない。清国政府は、この科学の猛威に対して何のなすとこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
香で身を燻《くん》じた人多く、甚だしきは平定文《たいらのさだぶみ》容姿言語一時に冠絶し「人の妻娘|何《いか》に況《いわん》や宮仕へ人は、この人に物いはれざるはな....
ジャンの物語」より 著者:宮本百合子
な精神挌闘史の如き観がある。 大体レフ・トルストイの思想と芸術とは、世界文学に冠絶した強靭な追求力、芸術的描写の現実性をもっているにかかわらず、当時ロシアに擡....
婦人の創造力」より 著者:宮本百合子
ルド・ダ・ヴィンチは、ルネッサンス時代の大天才の一人であり、その綜合的な独創性は冠絶したものです。ダンテにしても、「神曲」は空想とリアリズムの混った独特な作品で....
世界一もいろいろ」より 著者:宮本百合子
日本の女は一人たりとも自身たちの愚かさと、乳児死亡率の最高位であることで世界に冠絶したいとは願っていないのである。〔一九三七年八月〕....
若い母親」より 著者:宮本百合子
は、あらゆる場合それを世界に誇って来ていると思う。日本の女性の忍耐づよさが世界に冠絶していることも周知である。 母の力とその誇りについて、私たち女が全幅にそれ....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
歌うことが出来ないのである。 ここにおいて、私はなぜこう日本人のみが独り世界に冠絶した素質を有するかを考えざるを得なくなった。これは、なにもお国自慢でもなんで....