»
冤
「冤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「冬」より 著者:芥川竜之介
りの泣き声に気をとめない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。
「今度のことは全然|
冤罪《えんざい》ですから、どうか皆さんにそう言って下さい。」
従兄は切《き》り....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
んしゅう》へ流される事になりました。そこにかれこれ五六年もいましたろう。やがて、
冤《えん》を雪《すす》ぐ事が出来たおかげでまた召還され、中書令《ちゅうしょれい》....
「或る女」より 著者:有島武郎
は、二段抜きで、知事令夫人以下十四五名の貴婦人の連名で早月親佐《さつきおやさ》の
冤罪《えんざい》が雪《すす》がれる事になった。この稀有《けう》の大《おお》げさな....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を閉じぬ。 やがて裁判長は被告に向かいて二、三の訊問ありけるのち、弁護士は渠の
冤《えん》を雪《すす》がんために、滔々《とうとう》数千言を陳《つら》ねて、ほとん....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
内の人たちは、その夜なかに又もや半鐘の音におどろかされた。半鐘はあたかも権太郎の
冤罪《むじつ》を証明するように鮮かな音を立てて響いた。このあいだから撞木《しゅも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
丁堀の大番屋へ送られた。 このままで済めば政吉は頗る不利益であった。いかに彼が
冤罪《むじつ》を訴えても、小判二枚を持っていたという証拠がある以上、なかなかその....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
ら、誰一人|執成してくれようと云うものはなし、しかたがないので、そっとね、姉様が
冤の罪を被せられて――昨夕話したッけ――
冤というのは何にも知らない罪を塗りつけら....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
こんな例はまあ珍らしい。最初に一匹吐き出したのを、女が早く見つけていたら、飛んだ
冤罪を受けずとも済んだかも知れなかったが、男がそっと隠してしまったのでちっとも気....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
、李香は実に大当りさ。李香の包孝粛がその人物を写し得て、いかにも真に迫ればこそ、
冤鬼も訴えに来たのだろうということになると、彼の技芸にも箔が付くわけで、万事が好....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
し、井戸の中に死骸を捨てられるよ」 そういう風説が江戸中に拡がった。これは併し
冤罪である事は、後世の歴史家が既に証明している。二代将軍の三女というので、幕府で....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
か知らん奴隷それ名流なるを 蕩郎枉げて贈る同心の結 嬌客俄に怨首讎となる 刀下|
冤を呑んで空しく死を待つ 獄中の計|愁を消すべき無し 法場|若し諸人の救ひを欠か....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
解決が出来ると言えるであろう。それよりなにより、又自分にとっては、親愛なる三枝を
冤罪から助け上げなくてはならぬ義務がある。自分は彼を絶対に信じる。生命を投げ出し....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
からの夫人の芳ばしからぬ噂であった。ツイその数日前の或る新聞にも、「開国始末」で
冤を雪がれた井伊直弼の亡霊がお礼心に沼南夫人の孤閨の無聊を慰めに夜な夜な通うとい....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
や火のように燃えていた。 「ああ、判った。あなたは僕を疑っているんですね。それは
冤罪です、全く
冤罪です。昨日も云う通り、僕は唯った一度|彼家へ行った限りで、あの....
「耳香水」より 著者:大倉燁子
。また時計に罪をなすりつけるの? 調法だわね。でも貴方の腕時計|嗤っていますよ。
冤罪ですなあって』 女はヒステリックな声で嘲笑するのです。 『逃げ出したって云....