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冬田
「冬田〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冬田の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野分」より 著者:夏目漱石
た」と可愛らしい二重瞼《ふたえまぶた》を細めに云う。 「いや、だいぶ盛会ですね。
冬田さんは非常な出来でしたな」と中野君は半身を、女の方へ向けながら云う。 「ええ....
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
たが、前者は当然校外にまでも伝播して行くべき性質のものであった。町はずれの草原や
冬田の上で至るところにまね事の野球戦が流行した。ベースには蓆の切れ端やぞうきんで....
「病院の夜明けの物音」より 著者:寺田寅彦
にある大きな柿の木の大枝小枝がまっさおな南国の空いっぱいに広がっている。すぐ裏の
冬田一面には黄金色の日光がみなぎりわたっている。そうかと思うと、村はずれのうすら....
「田園雑感」より 著者:寺田寅彦
紺と白と継ぎ分けた紙の尾を幾条もつけて、西北の季節風に飛揚させる。刈り株ばかりの
冬田の中を紅もめんやうこんもめんで頬かぶりをした若い衆が酒の勢いで縦横に駆け回る....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
あます女力や雪まろげ 大雪の谷間に低き小村かな 月寒し袈裟打ち被る山法師 古塚や
冬田の中の一つ松 萩窪や野は枯れ果てゝ牛の声 初冬の襟にさし込む旭かな 小春日の....
「鴫突き」より 著者:寺田寅彦
じ恰好の叉手形の網で、しかもそれよりきわめて大形のを遠くから勢いよく投げかけて、
冬田に下りている鴫を飛び立つ瞬間に捕獲する方法である。「突く」というのは投槍のよ....
「三国志」より 著者:吉川英治
田園の風景を愛で、恵まれた閑日を吟愛し、ようやく郊外の村道を幾里か歩いてゆくと、
冬田の畦や、菜園のほとりで、百姓の男女が平和にうたっていた。 蒼天は円い、まん円....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
それを人間の模型のように思う人が出来て来て、用の終った案山子がいつ迄も、寒そうに
冬田の中に立つことになったかと思うと、しかし一方にはこれと関係なしに、秋の終りの....