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「冬眠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冬眠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。ユートピア※ しかし僕は、小説にあるような美しさは求めてない。きっとそこには、冬眠生理でもあるような人間がいるだろう。ながい冬は眠り、短い春は耕す――そういう....
緑の芽」より 著者:佐左木俊郎
しているように、毎日やわらかに照り輝いた。農夫は、朝早くから飛び起きて、長い間の冬眠時代を、償おうとするかのように働いていた。 菊枝はまだ床の中で安らかな夢に....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
認めて深き満足を味わうことができるであろう。まず約一〇万年の間人類は一種の精神的冬眠の状態にあったのでいかなる点でも現在の最未開な自然民俗に比べて相隔ることいく....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あの方に御用がおありなのでしょうか。それでしたら、鍵盤のある刳り込みの天井には、冬眠している蝙蝠がぶら下っておりました。また、大きな白い蛾が、まだ一、二匹生き残....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
で、彼の頭はますます冴えるばかり。 「人間は……いや、あの人種は、ことによったら冬眠ができるのかも知れない。そのほかに『|冥路の国』の謎を解く方法はないだろう。....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
中に身を隠してしまった。 こうして、下界との一切の交通を絶ってしまった佐助は、冬眠中の蛇を掘り出して啖うと、にわかに精気がついたその勢いで、朝に猿と遊び、昼は....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
を追っかけて行った。 湖面は一所銀のように光り、一所風に波立っていた。永い永い冬眠から、呼び覚まされた湖水の水は、しかしまだ何んとなく寝呆けていた。眠気にドン....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
わった狼の話を私は思い出してはなはだすまないと思ったことがある。 私は冬中をば冬眠中の蜘蛛の如く縮み上がって暮す。そして冬眠中に出来そうな仕事、例えばストーブ....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
凄味をまして妖光を放つが、さすがに光秀と半平は心身まったく衰えて、気息エンエン、冬眠状態、ウワゴトも言いかねない有様となった。放置すれば、神の術にかかってしまう....
小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
、たゞ、ねむろう。長いこと、あるいは三年間ぐらい、つゞいて睡眠が不充分であった。冬眠。左様、蛇の冬ごもりのように、しばらく冬眠しようと思った。 そして、それか....
熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
入るのは十一月下旬から十二月はじめで、初冬が山を訪れる季節です。穴に入って春まで冬眠を続けるために、穴に入る前に大いに食べて体力を養います。肉がついて丸々と肥え....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
でも植物でも食う。冬になると自分で掘るか、または自然にできた崖下などの穴に入って冬眠し、毎年五月頃子を産むのである。秋、落葉の頃子供をつれて餌漁りに出た熊は、人....
すっぽん」より 著者:佐藤垢石
大物は、十数年から二十年以上も経ているに違いない。 五 春四月ごろ、冬眠から眼覚めたすっぽんは、間もなく交尾期に入り、七、八月の炎暑に産卵する。川に....
蝦蟇を食べた話」より 著者:北大路魯山人
らいの大きさで、色は赤味がかっていた。いわゆるアカヒキという種類である。シュンは冬眠の時期であろう。私が食ったのは、五月で産卵後であったかと思うが、それでも非常....
美食多産期の腹構え」より 著者:北大路魯山人
来て、その楽事に忙殺される。中形のふぐを食うのも口福の大なるもの。京のたけのこ、冬眠のスッポン、江州瀬田の寒もろこの上々にもまさる美味さである。ただし、南日本海....