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冲する
「冲する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冲するの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「語られざる哲学」より 著者:三木清
のをもっている。規則正しい序列を作って寄せて来る数限りない波よりも突然の風に天に
冲するばかり高まった唯一つの波がいっそう速にまた確実に巌を砕く力を具えているので....
「電気看板の神経」より 著者:海野十三
男と女とであった。しかし人目を離れて二人っきりの世界になると、慎恚のほむらは天に
冲するかと思われ、相手の兇手から脱れるために警戒の神経を注射針のように尖らせた。....
「地球盗難」より 著者:海野十三
アレヨといううちに、矢追村の南に真黒な海水をたたえている大戸神灘の真只中に、天に
冲する水煙と共に落下し、つづいて轟然たる音響と共に花火のような一大閃光を発し、そ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
んだにしても、湖水の防備は破れますまい」 「ナニ防備? 防備とは何だ?」 「天に
冲する濛気でございます」 「天も
冲するもあるものか。変な形容詞を使やアがって。あ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
は、午後九時だった。ターネフ首領たちは、その時刻、全市に捲きおこる連続爆音と天に
冲する幾百本の大火柱を見んものと、三階の窓ぎわで酒をのみながら、時刻の来るのを、....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
うなものだね。 新聞の写真が過去に於てそうであったように、噴火といえば黒煙天に
冲するものだと思っていましたね。十何年か前にドイツのファンク博士というカメラマン....
「芸術と数学及び科学」より 著者:三上義夫
味のはなはだ豊かなわが国において、数学にせよ、諸科学にせよ、汪洋として旭日の天に
冲するがごとく、進み進み、また進まんとする勢いあること、決してわれらが架空の妄談....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
して、砂を噛んでも文学をやると意気込んでいた。その時分の文学的|覇心は殆んど天に
冲する勢いであった。 『浮雲』の第一編が発行されたは明治二十年七月であった。この....
「三国志」より 著者:吉川英治
里のところまで駆けつけて来てみると、長安の彼方、夜空いちめん真赤だった。 天に
冲する火焔は、もうその下に充満している敵兵の絶対的な勢力を思わせた。 「……しま....