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冷める
「冷める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
在にちっとばかり識っている人があるから、ともかくもそこへ頼って行って、ほとぼりの
冷めるまで麦飯で我慢しているのさ。お前さん、どうしても忌かえ」 「いやという訳じ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
現在｜眼のあたり見る鬼蓮なのである。それであるからして、熊城でさえも一時の亢奮が
冷めるにつれて、いろいろと疑心暗鬼的な警戒を始めたのも無理ではなかった。まったく....
「恭三の父」より 著者:加能作次郎
な皺が三四筋刻んだ様に深くなって居るのが恭三の眼にとまった。 「さあ早う、お汁が
冷めるにな。」 母は自烈体そうに言って箸を取った。 「うむ……。」と父は独り合....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
めてしまいます。事実、七兵衛の前に、堆《うずたか》く積み上げられた金銀は、お座の
冷めるほど、根太《ねだ》の落ちるほど、大したもので、隣りの千隆寺から持って来たお....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ないが、お蘭さんをかどわかした奴は、ことによるとまだ町の内外に隠れて、ほとぼりの
冷めるのを待っているかも知れない。 今晩、その辺の当りをつけるために、わざわざ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うなことがあってたまるかと、内心、少々くすぐったいような思いをしながらほとぼりの
冷めるのを待って、駒井殿のお船へ乗込もうと考えているうちに、思いがけない手ごわい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、俺らを取捉《とっつか》めようとして探してるんだそうだ、だから当分、ほとぼりの
冷めるまでは、お前と一緒に隠れているがいいというから、それで隠れてるんだ、そのう....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
アお前さんのために惜しんでいた。が、そこはマア若え女のほうがじきに熱くもなりゃあ
冷めるのも早えや、お艶坊はお前、とっくの昔にスッパリ栄三郎さんと手を切ってヨ。今....
「温浴」より 著者:坂口安吾
三度四度ずつ入浴する習慣だった。しかし、うすい木でつくられた普通の沸し風呂では、
冷めるのが早く、たけば熱く、こんな忘我の状態を経験することはできなかった。 例....
「魔像」より 著者:林不忘
。ナニ、そのほか何やかやと、ちっとばかりヤバい身体だ。こいつア余燼《ほとぼり》が
冷めるまで、当分江戸を売るほうが上分別かも知れねえ」 平河町の自宅へは立ち寄ら....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
に、頭を剃って夢物語に箔を付け、女房の一筆と高飛の路銀を持って余熱《ほとぼり》の
冷める両三日をと次郎兵衛店に寝に来たところを、その坊主頭と旦那旦那という呼言葉と....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
しばらくして茶を入れて、毎日飲む頃になったが、まだ下りぬ。 沸り切っていた湯が
冷めるから、炭を継いで、それから静に上って見た。屏風の端から覗くと、お夏は床の上....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
りたいが、それでは世間が承知しない。俺は決してお前を憎むのではないが暫らく余焔の
冷めるまで故郷へ帰って謹慎していてもらいたいといって、旅費その他の纏まった手当を....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いのです。
ところで上等社会の婦人は幾分か綺麗であるとはいうものの、一番お座の
冷める話は、お便に行ってその儘お越しになるという秘密を思い出すと、どんな美人でも....
「かもめ」より 著者:神西清
、僕の心は永久に君と結びついていると、毎分毎秒、意識していました。あなたへの恋が
冷めるなんて、僕にはできないことだ、ニーナ。あなたというものを失い、作品がぼつぼ....