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冷ゆ
「冷ゆ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷ゆの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
はり百年の生を享《う》けたと同じ事じゃ。泰山もカメラの裏《うち》に収まり、水素も
冷ゆれば液となる。終生の情けを、分《ふん》と縮め、懸命の甘きを点と凝らし得《う》....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
の俚諺《りげん》に、三月は獅子のように来り、子羊のごとく去るというは、初め厳しく
冷ゆるが、末には温かになるを指《さ》す。しかるに国に随《よ》っては、ちょうどわが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いでしょう。ことにまた植物の葉というものは、空気に先だちて暖まり、空気に先だちて
冷ゆるものであるから、葉温は空気の温度に支配せらるるというよりも、むしろ葉温が気....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
秋(シュウ)が現在の日本流では、「収」「聚」と同音である。 冬(フユ)は「
冷ゆ」に通じ「氷」に通じ (雪)にも通じる。露語の zima は霜(シモ)や寒(....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
消息も書かれてあり、上野殿母尼への消息にも「……大雪かさなり、かんはせめ候。身の
冷ゆること石の如し。胸の冷めたき事氷の如し」と書いてある。 こうした深山に日蓮....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
ドモワゼル ウメに書き取らせ、「スバル」なんかに出した。 わが顔は熱し、吾が心は
冷ゆ 辛き酒を再びわれにすすむる マドモワゼル ウメの瞳のふかさ といった有様だ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
った、そうして愛吉がお夏を見たのは、それが最初だというのである。 見るから心も
冷ゆるばかり、冷たそうな、艶のある護謨布を蔽いかけた、小高い、およそ人の脊丈ばか....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
蛋白質にあらず。 ○竹の子を糠にて湯煮ても昆布にて湯煮ても火を引きたる後釜の中へ
冷ゆるまで蒸らしおくべし。これ大切なり。 ○蛤は蛋白質壱割三分、脂肪八厘一毛、鉱....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
山はいよいよ高く、林はいよいよ深く、道はいよいよ迂回して、気流はまたいよいよ
冷ゆるばかりであった。 霧が驟雨のように流れて行った。 ああ、さるおがせ。寒....