冷感[語句情報] »
冷感
「冷感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷感の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
の意識は「温感」であり、或る親しみのある、ぬくらみの感であるのに、非我の記憶は「
冷感」であり、どこかよそよそしく、肌につかない感じがする。自我意識は即ち温熱の感....
「朝やけ」より 著者:豊島与志雄
が少しく冷静だったことだ。彼女は衛生器具を備えていた。それから、その後も、彼女は
冷感性かとも思われるふしがあった。ただ、彼女の乳房と、腿は甚だしく豊満だ。おれが....
「温浴」より 著者:坂口安吾
る。というのは、胃のところが冷えてくる。けれども胃の上へタオルをのッけておくと、
冷感が去るので、入浴しているうちは、たのしい。私は三十分から一時間、時には一時間....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
水につかった瞬間にはドキリとするが、秋から冬には同じ瞬間に失心状態となる。意識が
冷感の彼方に距てられ、霞んでしまう。一分二分と失われた意識が次第に霞を払いながら....
「初雪」より 著者:秋田滋
の素足を氷のように冷たい、柔かな粉雪のなかへ一歩踏み込だ。と、傷のように痛く疼く
冷感が、心臓のところまで上って来た。けれども、彼女はもう一方の足を前へぐいと踏み....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
血がある。受傷時の感覚は熱感ではなく瞬間の激しい痛覚で、そのあとにいちじるしい寒
冷感と疼痛を訴えた。剥離した皮膚は脆弱《ぜいじゃく》で、容易に断烈して除かれた。....