冷水摩擦[語句情報] »
冷水摩擦
「冷水摩擦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷水摩擦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「乞食学生」より 著者:太宰治
が在った。「けれども僕は、絶望していないんだ。酒だって、たまにしか飲まないんだ。
冷水摩擦だって、毎日やっているんだ。」自分ながら奇妙と思われたような事を口走って....
「道草」より 著者:夏目漱石
もう癒《なお》ったものと考えた。しかしいよいよ起きて顔を洗う段になると、何時もの
冷水摩擦が退儀な位|身体《からだ》が倦怠《だる》くなってきた。勇気を鼓《こ》して....
「野分」より 著者:夏目漱石
う》を積めと云う注意だ。積めとはどう積むのかちっともわからない。第二は運動をして
冷水摩擦《れいすいまさつ》をやれと云う。簡単なものである。第三は読書もせず、世間....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
い。 「凱旋勇士が、そんなことでどうするのさ。……愚図愚図していると素裸にして、
冷水摩擦をやってあげるがいいこと」 艶めかしい匂いが、僕の鼻をついたかと思うと....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
戒警報となり、敵小型機二十数機の房総半島侵入を報ず。けさは昨日よりやや落着いて、
冷水摩擦を始めていたら空襲警報となる。身心をすがすがしくして、神棚を仰いで祈念す....
「冬日記」より 著者:原民喜
となく彼には堪えがたくなる。彼はふと思いついたように座を立って、毎日の習慣である
冷水摩擦の用意にとりかかる。タオルを堅く洗面器の上で絞ると、シイツの上に両足を投....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
回の運動時間をほとんど駈足で暮す。しかしそんなことではどうしても暖かくならない。
冷水摩擦をやる。しかもゆうべからの汲み置きのほとんどいつも氷っている水だ。この冷....
「ソヴェト同盟の三月八日」より 著者:宮本百合子
醒ましの音でハッと目をさました。 いそいで服を着て、水道の冷たい水で顔を洗い、
冷水摩擦をやっているうちに、ニーナはだんだんうれしい心持になってきて、思わず小声....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
是非エスペラント語を大成し、ドイツ語を小成したいと思ってる。 監獄へ来て初めて
冷水摩擦というものを覚えた。食物もよくよく噛みこなしてから呑込むようになった。食....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
中で改めることに決議したのだった。 学校では毎朝、エイヤエイヤと号令かけながら
冷水摩擦が行われた。全校の生徒が運動場にずらりと並んで上半身裸になり、手拭で皮膚....
「困惑の弁」より 著者:太宰治
っては、いけない。侘びしさに堪えよ。三日堪えて、侘びしかったら、そいつは病気だ。
冷水摩擦をはじめよ。必ず腹巻きをしなければいけない。ひとから金を借りるな。飢死す....
「母たち」より 著者:小林多喜二
呑気にいれるだろうと考えているからだ。前の手紙を見ると、お前はそこで毎朝六時に「
冷水摩擦」をやっていると書いていたが、こっちでそんな時間に、そんなことをしたら、....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
名を持ったスタンダールなどが現れたら、気絶してしまうほどの弱い心臓を持ちながら、
冷水摩擦で赤くした貧血の皮膚を健康の色だと思っているのである。「灰色の月」はさす....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
夢をみたり霞の衣につつまれて深山幽谷に遊んでいる自分を夢みたりする。 私は毎朝
冷水摩擦をかかさず行なっているが、これはラジオ体操以上に体に効くようである。もう....
「人格を認知せざる国民」より 著者:新渡戸稲造
如きは、今日はトテも起きられぬと思うたことが二回もあった、ソレでも無理に起きて、
冷水摩擦をやったり葡萄酒で元気をつけたりして、一度も違約したことなく、任務を下手....