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冷笑
「冷笑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷笑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ゆる》操行点だけは一度も六点を上らなかった。彼は6と言うアラビア数字に教員室中の
冷笑を感じた。実際又教師の操行点を楯《たて》に彼を嘲《あざけ》っているのは事実だ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
た。その※が役に立たないことは彼女自身も知らないのではなかった。が、時々母の顔に
冷笑に近い表情を見ると、※をついたことを後悔する、――と云うよりも寧《むし》ろ彼....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
「これも寒い色の野菜でなければ野菜ではないと云う連中がいます。もっともこの連中は
冷笑はしても、演説などはしないようですがね、肚《はら》の中では負けず劣らず温い色....
「彼」より 著者:芥川竜之介
なしに美代ちゃんの日記を読んで見たんだ。……」
僕はこの「何気なしに」に多少の
冷笑を加えたかった。が、勿論《もちろん》何も言わずに彼の話の先を待っていた。
「....
「Mensura Zoili」より 著者:芥川竜之介
していると書いてあります。」
僕は、不快になった。
「お気の毒ですな。」角顋は
冷笑した。「あなたの『煙管《きせる》』もありますぜ。」
「何と書いてあります。」....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
「聞いて見る人もなし、………困りましたね。」
僕はこう言うK君の言葉にはっきり
冷笑に近いものを感じた。しかし教えると言った手前、腹を立てる訣《わけ》にも行かな....
「早春」より 著者:芥川竜之介
つけ加えた。
「ふん、莫迦がるのが一番莫迦だね。」
堀川は無造作《むぞうさ》に
冷笑した。それからまたたちまち朗読するようにこんなことをしゃべり出した。
「君は....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
と、切先《きっさき》を歯に啣《くわ》えながら苦もなく二つに折って見せた。そうして
冷笑を浮べたまま、戦いを挑《いど》むように女を見た。
女はすでに斧《おの》を執....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
たのだ。……
「紙幣を取り換える? 命がけでか?」
副官は負惜《まけおし》みの
冷笑を洩らした。
「とにかく裸にして見よう。」
参謀の言葉が通訳されると、彼等....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
の研究に従事するつもりでございます。閣下は恐らく、一般世人と同様、私のこの計画を
冷笑なさる事でしょう。しかし一警察署長の身を以て、超自然的なる一切を否定するのは....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
に船長と何か話している。彼の顔いろは重おもしい。が、船長は脣《くちびる》に絶えず
冷笑を浮かべている。彼等は暫《しばら》く話した後、一しょに横みちへはいって行《ゆ....
「三つの窓」より 著者:芥川竜之介
。彼の友だちのY中尉は一年ほど前に妻帯していたために大抵水兵や機関兵の上にわざと
冷笑を浴びせていた。それはまた何ごとにも容易に弱みを見せまいとするふだんの彼の態....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
」 僕は今度は勢い好く言った。 「ブリッキ!」 しかしそれはいたずらに先輩の
冷笑を買うだけだった。 「ブリッキ? あれはトタンというものだ」 僕はこういう....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
に反って僕には女生徒らしかった。僕は巻煙草を啣えたまま、この矛盾を感じた僕自身を
冷笑しない訣には行かなかった。 いつか電燈をともした汽車はやっと或郊外の停車場....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
かり蛇笏を賞讃したら、赤木は透かさず「君と雖も畢に蛇笏を認めたかね」と大いに僕を
冷笑した。僕は「常談云っちゃいけない。僕をして過たしめたものは実は君の諳誦なんだ....