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冷血
「冷血〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
冷血の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
助平爺ひとりだ! 白っぱくれてもらわんときまいよ。おい! 泣きながら踊ってたぞ!
冷血漢め! 電話掛けたのは、貴様の老いぼれた顔を見たくないからだ。ありがたく思え....
「俘囚」より 著者:海野十三
呶鳴《どな》りつけてやった。「莫迦《ばか》にしているわ、奥さんなんて」 「いくら
冷血《れいけつ》の博士《はかせ》だって、こう毎晩続けて奥さんが遅くっちゃ、きっと....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
比谷公園を忘れたか。いやいや、お前はもっと重大な義務からも逃避している卑怯者だ。
冷血動物だ。お前はいつも自分だけがいい子になろうとして、責任を回避していたからこ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、くったりして窓際へ行き、そこに並べてある硝子鉢の一つの覆いに手をかける。指先は
冷血していて氷のようなのに、溜った興奮がびりびり指を縺して慄えている。やっと覆い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
劇から悲劇へなんだよ。で、それからは、気違いみたいに自然淘汰の跡を追いはじめて、
冷血的な怖ろしい狩猟の心理しかなくなってしまうのだ。だから支倉君、僕はソーンダイ....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
い位置にあったのだ、無論体力の劣性を補うばかりでなく、捜査方針の擾乱を企てた陰険
冷血な計画も含まれているのだ。だから、手口だけから見ると、ルキーンの幻が消えて、....
「浮動する地価」より 著者:黒島伝治
であったか、それは知らない。が、あの無気味にぬる/\した、冷たい、執念深かそうな
冷血動物が、僕は嫌いである。 だが、この蛇をのけると、五月の山ほど若々しい、快....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
見るべきで、そこに人間としての彼を見る事が出来るではないか。もし彼が人間味のない
冷血漢であって、支倉の自白に多少でも強制の痕がある事を認めたら、恐らく後日自白を....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
けるつもりだ。 野村君、然し、叔父の眼は光っている。彼は僕よりも遙かに狡猾で、
冷血で、そして、僕よりも、より絶望的である筈だ。僕はそれを恐れているのだ。 野....
「恋愛曲線」より 著者:小酒井不木
文字を使用することにすら、滑稽を覚えるかも知れぬが、然し僕は君の考えて居るほど「
冷血」ではなく、多少の温かい血は流れて居るつもりだ。流れて居ればこそ、君の結婚に....
「金属人間」より 著者:海野十三
なたがその下手人ではありますまいね」 検事のこのことばは、はじめてこの無神経な
冷血動物《れいけつどうぶつ》のような博士を、とびあがらせる力があった。 「な、何....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
たよ。ところが、しまいには、仲間割れをしおってな。なにしろ、その三伝という男が、
冷血なことこの上なしという辣腕家だったで、自然独裁の形にもなるし、他の三人も、自....
「城」より 著者:カフカフランツ
ことを大いに怒りながら、あの手紙を書いたらしいんです。あの手紙に対しては、どんな
冷血漢でもはじめは腹を立てたにちがいありません。でも、そのあとでは、アマーリア以....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
てられて、宿無しとなった毛の汚れた犬が、犬殺しに捕えられた時、子供等が、これ等の
冷血漢に注ぐ憎悪の瞳と、憤激の罵声こそ、人間の閃きでなくてなんであろう。 これ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
に油汗をにじませながら、黙って凝と見守っていなければなりませんでした、私のような
冷血な男でも、最愛の妻が目の前で毒を仰ぐのを見ながら、手を束ねていなければならな....