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「冷飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
していると云うじゃあねえか。おまけに厄介者の次男坊だ。二十四や五になるまで実家の冷飯を食っているようじゃあ、小遣いだって楽じゃあねえ。おそらく慾に眼が眩んで師匠....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ら家を出てゆく覚悟でなければならない。わたしは午前二時頃に起きて、ゆうべの残りの冷飯を食って、腰弁当をたずさえて、小倉の袴の股立ちを取って、朴歯の下駄をはいて、....
空襲警報」より 著者:海野十三
直した」 「それで、今度は出来たかい」 「ところが、やっぱり駄目、仕方がないから冷飯を手でベタベタ塗ったんだが、つばきがついているせいか、なかなかかわかない。あ....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
草の上。 「なあよ、宰八、」 「やあ、」 と続いた、手ぼう蟹は、夥間の穴の上を冷飯草履、両足をしゃちこばらせて、舞鶴の紋の白い、萌黄の、これも大包。夜具を入れ....
露肆」より 著者:泉鏡花
の名灸。 やにわに長い手を伸ばされて、はっと後しざりをする、娘の駒下駄、靴やら冷飯やら、つい目が疎いかして見分けも無い、退く端の褄を、ぐいと引いて、 「御夢想....
」より 著者:井上紅梅
以て胸を抑えてみたが、なかなか咳嗽がとまりそうもない。そこで竈の下へ行ってお碗に冷飯を盛り、熱い湯をかけて喫べた。 華大媽はそばへ来てこっそり訊ねた。 「小栓....
鴨の喜劇」より 著者:井上紅梅
ロシンコ君は本を教えに出掛けたので、皆そこを離れた。仲密夫人は鴨に食わせるために冷飯を持って来たが、遠くの方でパシャパシャと水音がしたので、行ってみると、その四....
」より 著者:岡本綺堂
、おれに呉れ。」 痩せても枯れても旗本の次男で、近所の者もその顔を知っている。冷飯食いだの、厄介者だのと陰では悪口をいうものの、さてその人の前では相当の遠慮を....
月の夜がたり」より 著者:岡本綺堂
その当時はまだ前座からすこし毛の生えたくらいの身分であったが、いつまで師匠の家の冷飯を食って、権助同様のことをしているのも気がきかないというので、師匠の許可を得....
余齢初旅」より 著者:上村松園
上海から抗州へ行った。抗州では西湖のいちばんよくみえる高台になったところにある西冷飯店という宿に泊った。昼の二時頃、軍部と軍の病院とを訪問した。それから日の暮れ....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
肌を視て帰って、ぼんやりとして、まだその夢の覚めない折から。…… 無理もない、冷飯に添えた塩鮭をはかなむのは。……時に、膳の上に、もう一品、惣菜の豆の煮たやつ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
切だぜ。」 十五 「起きようと寝ようと勝手次第、お飯を食べるなら、冷飯があるから茶漬にしてやらっせえ、水を一|手桶汲んであら、可いか、そしてまあ緩....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
も吐けません。きりきりと腹が疼出して止りません。友だちが、笑いながら、心配して、冷飯を粥に煮てくれました。けれども、それも、もう通らない。……酷い目に逢いました....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
廼舎朧という粋な雅号で戯作の真似をするというは弁護士の娘が女優になったり、華族の冷飯がキネマの興行師となるよりも一層意外で、『書生気質』が天下を騒がしたのはその....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
た。 アン巻き屋の男は朝早く起きて、出かけていったが、間もなくバケツに麦半分の冷飯をぎっしり詰めて帰ってきた。三銭で軍隊の残飯を買ってきたのだという。私たちは....