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「冷麦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

冷麦の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
す。もっとも今日は謹んで、酒は一滴も口にせず、妙に胸が閊《つか》えるのを、やっと冷麦《ひやむぎ》を一つ平げて、往来の日足が消えた時分、まるで人目を忍ぶ落人のよう....
新生」より 著者:島崎藤村
十四 簾《すだれ》がある。団扇《うちわ》がある。馳走《ちそう》ぶりの冷麦《ひやむぎ》なぞが取寄せて出してある。親戚のものは花火を見ながら集って来てい....
」より 著者:島崎藤村
音がした。 夕方から、表の木戸を開けはらって、風通しの好い簾の影で、一同揃って冷麦を食った。 「世が世なら、伝馬の一艘も買切って押出すのにナア」 と正太は白....
一緒に歩く亡霊」より 著者:田中貢太郎
茶屋を見つけた。甚六は好い処があるなと思ったので入って往った。 見るとその店に冷麦が笊に入れてあった。冷麦は好物であった。 「その冷麦を貰いたいな」 「冷麦で....
我が円朝研究」より 著者:正岡容
の用意のほどに降参してしまわないわけにはゆかない。このお客へ重信が「只今何か……冷麦を然う申し付けたと申すから、まあよい……では、一寸泡盛でも……」というのも冷....