凄風[語句情報] » 凄風

「凄風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凄風の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
一つ残されていないと云うのも、しごく道理なんでございますわ」 鎮子の陳述は再び凄風を招き寄せた。法水はしばらく莨の赤い尖端を瞶めていたが、やがて意地悪げな微笑....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
一泊して、就褥の後に御注意あれ。 間広き旅店の客少なく、夜半の鐘声|森として、凄風一陣身に染む時、長き廊下の最端に、跫然たる足音あり寂寞を破り近着き来りて、黒....
端午節」より 著者:井上紅梅
うへむけて歩き出した。習慣法に拠れば、これは討論中止の宣告を表示したものである。凄風冷雨のこの一日が来てから、教員等は政府に未払月給を請求したので、新華門前の泥....
雪の透く袖」より 著者:鈴木鼓村
して米沢まで旅次行軍を続けたのであった。 時は十一月の中旬、東北地方は既に厳霜凄風に搏たれて、ただ見る万山の紅葉は宛らに錦繍を列るが如く、到処秋景惨憺として、....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
たせて、酔いざましの好場所もあらばと腕を扼して立ち上がった。 涼風ならぬ一陣の凄風、三人のひっさげ刀にメラメラと赤暗い灯影を揺がした出会い頭――とんとんとんと....
私本太平記」より 著者:吉川英治
なに、楠木?」 「楠木勢だと」 と、一陣二百人ほどは、尊氏のまわりをかこんで、凄風の中に、そそけ立ッた。 なにしろ、補充の軍は来ていず、ここには水軍の将士の....