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「凝り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凝りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ょう。次郎さん、口笛を吹いてちょうだい。」と言った。 次郎は、あらゆる表情が、凝り固まったような顔をしながら、左手の指を口へ含んで、鋭く二声、口笛の音を飛ばせ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
ると、妙な顔をして流しへ痰《たん》を吐いた。 「貴公は相変らず発句《ほっく》にお凝りかね。」 馬琴は巧《たく》みに話頭を転換した。がこれは何も眇の表情を気にし....
或る女」より 著者:有島武郎
照をその白皙《はくせき》の皮膚に与えて、カラーとネクタイの関係にも人に気のつかぬ凝りかたを見せていた。 「会いたてからこんな事をいうのは恥ずかしいですけれども、....
或る女」より 著者:有島武郎
ん》の羽織《はおり》を脱ぎ捨てて、ありたけの懐中物を帯の間から取り出して見ると、凝りがちな肩も、重苦しく感じた胸もすがすがしくなって、かなり強い疲れを一時に感じ....
星座」より 著者:有島武郎
うだが……」 おせいはそれを聞くと身がすくむようだった。体がかたくなった。肩が凝りきった時のように、頸筋《くびすじ》から背中がこわばって、血のめぐりが鈍く重く....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
のが執念くつきまつわっているように見えた。君の兄上の初生児も取られていた。汗水が凝り固まってできたような銀行の貯金は、その銀行が不景気のあおりを食って破産したた....
親子」より 著者:有島武郎
た。実際彼は刃のようなひやっとしたものを肉体のどこかに感じたように思った。そして凝り上がるほど肩をそびやかして興奮していた自分を後ろめたく見いだした。父はさらに....
深夜の市長」より 著者:海野十三
時代めいた丁寧な言葉で挨拶される。そういうところを見ていると僕はなんだか急に肩の凝りを覚えて来たのだった。 「深夜の市長」に聞きたいことは沢山あったが、精神的欝....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ような気がするほどであった。 それに引きかえ、実に妾はこの四五日なんとなく肩の凝りが鬱積したようで、唯に気持がわるくて仕方がなかった。考えてみるのに、それは静....
」より 著者:池谷信三郎
。大事そうに捧げていた彼女の両手がだらりと下った。彼女は二十年もそうしていた肩の凝りを感じた。何かしらほっとしたような気安い気持になって、いきなり男の胸に顔を埋....
我が宗教観」より 著者:淡島寒月
にすすめられて、禅を始めて、或る禅師の下に入室した事もありました。とにかく自分も凝り性でしたから、その頃には自室で坐禅三昧に暮したものでした。また心に掛けて語録....
無題抄」より 著者:上村松園
うになって来ました。 私は、以前は、余技は余技として下手でもいいと思いまして、凝りもせずにおりましたが、近頃はそれと反対に「余技の下手なものは本技も下手だ」と....
活人形」より 著者:泉鏡花
を誘い内に入りぬ。 八蔵は泰助に恨あれば、その頭蓋骨は砕かれけん髪の毛に黒血|凝りつきて、頬より胸に鮮血迸り眼を塞ぎ歯を切り、二目とは見られぬ様にて、死しおれ....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
として潔き、一種卓絶、万古不朽の元気ありて存す。その気発しては愛国の精神となり、凝りては尊王の忠魂となり、二千五百余年来、日本国をして東海の上に旭日とともに光輝....
寺町」より 著者:岩本素白
た一挺の駕籠が、その葬列の中に、有りとも見えず護られて居るのである。潔癖、意地、凝り、渋み、そういう江戸の伝統を伝えたといわれる此の人の、これが最後の註文の一つ....