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凝滞
「凝滞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凝滞の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新ハムレット」より 著者:太宰治
に人を疑いません。御判断は麦畑を吹く春の風のように温く、爽やかであります。一点の
凝滞もありません。王妃さまの事は、もちろん生みの御母上として絶対の信頼と誇りとを....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
三月の下り凧は江戸ッ児の末路を示すものだと、江戸ッ児本来の面目は執着を離れて常に
凝滞せざるを誇りとするもの、焉んぞ死と滅亡とに兢々たるものであろうぞ。 藪入と....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
め、応挙、蘆雪、崋山などの名高い作物をも見たが、その多くは軽快な魚の動作姿態と、
凝滞のない水の生活の自由さとを描いたもので、あの古池の鯉が見せてくれたような、淡....
「三面一体の生活へ」より 著者:与謝野晶子
活も摂取され、世界生活という中に同じく他の二つの生活が内含されていて、何の扞格も
凝滞も発見されず、極めて平和であるのです。私は誰にも明瞭なこの共通の実感と同じ状....
「激動の中を行く」より 著者:与謝野晶子
証拠であり、従って大多数の人類がウィルソンの提議に現れたような正大な思想を、何の
凝滞も曲解も反抗もなしに、空気を吸い水を飲むように、安々と肯定し、受容し、味解す....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
日にもこの地を引払って、また旅に出でようかとも思案を致しておりまする」 執着と
凝滞のないらしい関守の返事。 五十四 それからここに落合った....
「探偵小説の芸術性」より 著者:中井正一
朗と強靱性はこの深い憂欝の白冥を通っていると思われる。彼らの截断性は、かの思索の
凝滞と晦渋を貫いてであると思われる。自分が醜いということすらが悪寒のごとき修飾で....