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「凝立〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

凝立の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ある崖上の感情」より 著者:梶井基次郎
と思った。しかしその人達はそれらしく動きまわる気配もなく依然として寝台のぐるりに凝立《ぎょうりつ》していた。 しばらく見ていた後、彼はまた眼を転じてほかの窓を....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
きの艦内に満てるのみ。 月影白き前艦橋に、二個の人影あり。その一は艦橋の左端に凝立して動かず。一は靴音静かに、墨より黒き影をひきつつ、五歩にして止まり、十歩に....
家常茶飯 附・現代思想」より 著者:森鴎外
まし。ね。(徐に戸の口に歩み寄り、徐に戸を開き、退場。) 画家。(物思いに沈みて凝立すること暫くにして、忽然夢の覚めたるが如き気色をなし、四辺を見廻す。ようよう....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
き何物にか心を奪われているのでしょう。 そこで、無益の説明を中止して、その人の凝立《ぎょうりつ》して、眼を吸い寄せられているところを、お雪が安からぬ色で認めて....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、命じて「関山月」と言った。お銀様はこのことに憤りを発して、含むところある沈黙の凝立を守っていると、そのいずれにも頓着なく、黒血川に浸っていたところの髑髏が、不....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の壁画の前へ立つと、今まで逍遥気分でながめ廻っていた女客が、吸い寄せられたように凝立《ぎょうりつ》して、この大床の金碧燦爛《こんぺきさんらん》たる壁画を見つめて....
道成寺(一幕劇)」より 著者:郡虎彦
うにくり返して私の名を呼ぶのが、そこの谷からきこえてまいります―― 間。不安なる凝立。 若僧 もう何にも聞えなくなってしまいました。 妙信 心を落ちつけぬかよ、....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
る薄靄は、そのまま私たちをも彼らの仲間のひとりと化して、風もながれぬ自然のなかに凝立させるためであろう。もとよりそこに、いい知れぬ『新古今集』の称讃者も生れ、無....