凝結[語句情報] »
凝結
「凝結〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凝結の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
る非現実的理想性を主として材料の色彩と採光照明の方法とに表わしている。
建築は
凝結した音楽といわれているが、音楽を流動する建築と呼ぶこともできる。しからば自由....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に至った。一人の友人がやってきて、こう言って彼を慰めた。「天地はただ一種の霊気の
凝結したものにすぎない。しかして日月星辰はただこの霊気の中に輝く団塊である。これ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
達はRデパートへ着いた。墜死の現場はこのデパートの裏に当る東北側の露地で、血痕の
凝結したアスファルトの道路の上には、附近の店員や労働者や早朝の通行人が、建物の屋....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
暑いときに、塩と酢をもってその器を拭いた上で血をそそぐと、いずれもその血が別々に
凝結して一つに寄り合わない。そういう特殊の場合がいろいろあるから、迂闊に滴血など....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の驚愕が起した、虚心状態とも推察されるのだった。そして、死体の背窪を一杯に覆うて
凝結した血が、指差している手の形で、大きな溜りを作っていて、なお薄気味悪いことに....
「死者の書」より 著者:折口信夫
厳かに、だが、すんなりと、手を伸べたままで居た。耳面刀自の記憶。ただ其だけの深い
凝結した記憶。其が次第に蔓って、過ぎた日の様々な姿を、短い聯想の紐に貫いて行く。....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
も左右の楔状骨に迄達している。そして、流血が腫起した周囲を塗って火山型に盛り上り
凝結している所は、宛ら桜実を載せた氷菓そっくりであるが、それ以外には外傷は勿論血....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
来た。だが親は男親か女親か認識しなかった。彼の網膜に親らしい形だけ写った。それが
凝結した彼の脳裡の認識にまで届かなかった。男の子は細い線状にくずれ落ちる落葉を短....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
て、紙帳の面に張り付いていた。左衛門が投げ付けた腸の、皮や肉が、張り付いたままで
凝結ったからであった。それにしても、蜘蛛の網が、何んとその領分を拡大めたことであ....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
刃物で切ったと見えて、鋭い縁をそのまま、パクリと口を開いている。そしてそこには、
凝結した血が、深い溜りを作っていて、緞帳の余映で、滲み出た脂肪が金色に輝き、素馨....
「取舵」より 著者:泉鏡花
なきか。異状の天色はますます不穏の徴を表せり。 一時魔鳥の翼と翔りし黒雲は全く
凝結して、一髪を動かすべき風だにあらず、気圧は低落して、呼吸の自由を礙げ、あわれ....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
者に鬼の如き角を生やした諷刺画まで掲載し、なお、飽き足らずに「売薬業者は嘘つきの
凝結」などと、同業者にまで八つ当った……。 こうして写していて、さすがのおれも....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
曩日の感夢、おおむね事実と適中するもののごとしと。これ、そもそも予が疑団いよいよ
凝結して、氷釈するあたわざるゆえんなり。それ、およそ夢は、つねに五官の交感、ある....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
、手を束ねていなければならないというのは、何という恐しい事でしょう。 私の体は
凝結したように強張って、頬は痙攣して引きつってしまいました。こんな残酷な刑罰があ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
文明の進歩により、力の発展により逐次政治的統一の範囲を拡大し、今日は四個の集団に
凝結せんとする方向にある人類はやがて二つ、すなわち天皇を信奉するものとしからざる....