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凝縮
「凝縮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凝縮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「映画時代」より 著者:寺田寅彦
重要な出来事を短い時間に瞥見《べっけん》することによって世界が恐ろしく狭い空間に
凝縮されて来る。そうして人類文化の進歩の急速な足音を聞いているような気もする。 ....
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
、水や壁のあたりにそれらのもの独得の雰囲気《ふんいき》がだんだんに、しかし確実に
凝縮していることのなかに認められる、というのであった。その結果は、幾世紀ものあい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
中核がありその周囲を一種の霧のようなものが取り囲んでいる。この霧が中核のまわりに
凝縮するとそれが一つの恒星に変るのである。』『太陽は無限大に広がることはできない....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
の一時間も前に、絶命が医学的に証明されているのですよ。」 まさに、心臓が一時に
凝縮したと云う感じだった。それより、一体どこに推定の根拠があるのか?――法水の意....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
ほうへ入り一半は宗教のほうへ走って行った。すべての怪異も同様である。前者は集積し
凝縮し電子となりプロトーンとなり、後者は一つにかたまり合って全能の神様になり天地....
「ルクレチウスと科学」より 著者:寺田寅彦
きない。 竜巻についてもかなり正しい観察と、真に近い考察がある。 雲の生成に
凝縮心核を考えているのは卓見である。そして天外より飛来する粒子の考えなどは、現在....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
る。 実際は東京の空気は年々に濁るはずである。自動車のガソリンの煙だけでも霧の
凝縮核を供給することはたいしたものであろう。寒い曇天無風の夜|九段坂上から下町を....
「待つ者」より 著者:豊島与志雄
或る一つのことに思い耽って、精神の明暗の分野がくっきりと分たれ、明るい部分が狭く
凝縮してくる。そうした時に限る。そしてその明るい部分の中に、人生の日常の経路が中....
「風博士」より 著者:坂口安吾
のである。そして偉大なる博士は邸宅の内部にも居なかったのである。僕は階段の途中に
凝縮して、まだ響き残っているその慌しい跫音を耳にしながら、ただ一陣の突風が階段の....
「研究的態度の養成」より 著者:寺田寅彦
いと思う。この時でも水蒸気が露のごとく水滴になるには何か塵のごとき微細ないわゆる
凝縮核が必要であるし、ガラスの表面の性質によってつきかたにいろいろ異なった状態が....
「塵埃と光」より 著者:寺田寅彦
なるために、霧のような細かい水滴が出来る。この水滴が出来るためには、必ず何かその
凝縮する時に取りつく核のようなものが必要であって、これがなければ温度が下がっても....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
『イオーヌィチ』という晩年の作品である。勿論『イオーヌィチ』には前者に見られない
凝縮と重厚味があるが、この二つの作品は人物のシチュエーションも同じなら、作を支配....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
ので好都合である。プーシキンの短篇『スペードの女王』の一節であるが、原文は極めて
凝縮されながら、しかも平明|暢意《ちょうい》のプーシキン一流の達文である。訳者の....
「比較科学論」より 著者:中谷宇吉郎
のではなく、雨がどうして降るかという研究の副産物であったのである。水蒸気が上空で
凝縮して雲になり、雲の粒子が集って雨となって降ってくる。その最初のところで、水蒸....
「粉雪」より 著者:中谷宇吉郎
ていても、結晶はどんどん変形するのである。それは個体の状態から直ちに気化してまた
凝縮するという現象、物理学の方面でいわゆる昇華作用と呼ばれている現象のために、結....