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「几帳面〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

几帳面の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ポッケットの中から、机の抽出しから、手帳の間から、札びらや銀貨を取りだした。あの几帳面《きちょうめん》に見える園には不思議な現象だと人見の思うのはこのことだけだ....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
正月だ。何はなくとも、また前途に何があろうとも、今夜ばかりは。 ◯江戸川乱歩氏は几帳面に一号館書房の印税割あてを送って来て下さる。二千八百二十六円也。これ本年初....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
。 バスは、ときどき揺れて、呟き声や、笑い声を乗客に立てさせながら、停留場毎に几帳面に、客を乗り降りさせて行く。山の手から下町へ向う間に二つ三つ坂があって、坂....
地獄の使者」より 著者:海野十三
今の人物の印象は……」 「ははは、あの人はどうかしていますね」帆村は軽く笑って「几帳面なのか放縦なのか、はっきりしませんね。そして欲がないようでもあり、またしみ....
毒瓦斯発明官」より 著者:海野十三
た司令官を迎えるように、極めて厳たる礼をもって金博士に敬意を表した。 博士は、几帳面に礼をかえすどころか、いきなり醤の瘠せた肩をどんと叩いて、 「おい、ウィス....
共軛回転弾」より 著者:海野十三
て、その場のおどろきを胡魔化す。 「勘定をしてくれ。いくらだい」 チーア卿は、几帳面に精算をし、小銭の釣銭までちゃんと取って、街を向うへふらふらと歩いていった....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
て、その成立を承認した。フランケと魚戸は、真中まで出て、軽く頭を下げた。まことに几帳面なことである。 「では早速ですが、私は団長として、皆さんにお伺いしますが、....
第四次元の男」より 著者:海野十三
発見に正面衝突をしなければならなくなったのであった。 さて、わたくしは、電灯を几帳面に盡く消し去って、おそろしく大きなボール紙の函が落ちているとしか見えない某....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
て、プチ・パレーの方に波蘭の工芸品展覧会の雪の山を描いたポスターが白い窓のように几帳面な間隔を置いて貼られてある。婆娑とした街路樹がかすかな露気を額にさしかけ、....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
一、語学の英露独など出来る事。但どの位よく出来るか知らず。 二、几帳面なる事。手紙を出せば必ず返事をくれるが如き。 三、家庭を愛する事。殊に母....
恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
的なるよりも一層規則的に見えしなるべし。僕は恒藤の親友なりしかど、到底彼の如くに几帳面なる事能わず、人並みに寝坊をし、人並みに夜更かしをし、凡庸に日を送るを常と....
褐色の求道」より 著者:岡本かの子
かった。然し町は気に入った。名も無いフロウナウの町は平凡そのもののようであった。几帳面に道路に仕切られ、それに思い思いの住宅が構えられていた。伯林から一時間で通....
決闘場」より 著者:岡本かの子
った。彼の父の家である雑貨店の店先きで彼女によく逢った。銀行の会計事務を済ますと几帳面に真直ぐに帰宅する彼女をワルトンは大抵午後四時半に待って居た。アイリスの眼....
荒蕪地」より 著者:犬田卯
らわなければ物騒で、一日として安心してはいられないからでもあった。 ところで、几帳面に、雪空にも拘らず出張して来た弁護士が、二人の事務員を使って、せっせと書き....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
に狂死する。およそ世界の悲劇を一人で背負ったような青年です。それから彼はいちいち几帳面に仇敵に、それ相応の復讐を遂げ、自分はわざと恋人の兄の刃にかかって死にます....