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凡作
「凡作〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凡作の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「風の便り」より 著者:太宰治
じ速度で、あせらず怠らず、絶えず仕事をすすめていなければならぬ。駄作だの傑作だの
凡作だのというのは、後の人が各々の好みできめる事です。作家が後もどりして、その評....
「沈黙の塔」より 著者:森鴎外
ある。 芸術の認める価値は、因襲を破る処にある。因襲の圏内にうろついている作は
凡作である。因襲の目で芸術を見れば、あらゆる芸術が危険に見える。 芸術は上辺の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、 「これだ」 と言いました――白雲もまた、最初からこの般若《はんにゃ》の面が
凡作ではないと見ていたのですが、この時になってはたと思い当りました。 これこそ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
というものの通俗にうたわれた容姿風采とは趣を異にしているけれども、彫刻そのものが
凡作でない証拠には、この年になっても、どこやらに人に迫るものがある。古《いにし》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
行くうち、愚拙《ぐせつ》なるもの、剽軽《ひょうきん》なるもの、なかには往々にして
凡作ならざるものがある。無惨なのは首のない仏。しかしながら、首を取られて平然とし....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
の木で作られてある独楽なのか、作られてから幾年を経ているものか、それが上作なのか
凡作なのか、何型に属する独楽なのか、そういう方面に関しては、彼は全く無知であった....
「思い」より 著者:伊丹万作
はないと思う。このうち、例年のとおりベスト・テンを選ぶとすれば、なお三十八本の平
凡作が残る。少なくとも四十八本全部見逃せない作品ばかりだというようなことは残念な....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
奈良の仏師もある。江戸の仏師が多分を占めてはおりますが、いずれも腕揃いであって、
凡作は稀で、なかなか結構でありました。 そして、その中には、五百羅漢を彫った当....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
りを取って袂に入れて帰りました。 その後、私は右の不動を出して見ると、なかなか
凡作でない。折れた足を継ぎ、無疵にして、私の守り本尊の這入っている観音の祠(これ....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
その時にふと思い付いたのが、この『修禅寺物語』です。 全体、かの仮面は、名作か
凡作か、素人の我々にはちっとも判りませんが、何でも名人の彫った名作でなければなら....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
しい。 わたしは古机のひきだしに久しく二、三の草稿を蔵していた。しかしいずれも
凡作見るに堪《た》えざる事を知って、稿《こう》半《なかば》にして筆を投じた反古《....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
である。しかしカリダアサなどの傑作が海外へ伝えられたというのではない。他に多くの
凡作もあったであろうし、また専門の俳優を必要としない程度のものが伝えられたとも考....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
けれど、以上挙げた数点だけでも、おぼろながら彼の愛好の趣は察しることができよう。
凡作は佩かなかった。また、古刀を好んだ。それかといって特に刀に奇を衒ったふうもな....