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凡兆
「凡兆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凡兆の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「天狗」より 著者:太宰治
暑い時に、ふいと思い出すのは猿簑の中にある「夏の月」である。 市中は物のにほひや夏の月
凡兆 いい句である。感覚の表現が正確である。私は漁師まちを思い出す。人によって....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
の音色がこもっている。最後にもう一つ「猿蓑《さるみの》」で芭蕉|去来《きょらい》
凡兆《ぼんちょう》の三重奏《トリオ》を取ってみる。これでも芭蕉のは活殺自由のヴァ....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
う渾然としたものになりはしないかという気がするのである。 ゆがみて蓋のあわぬ半櫃
凡兆 草庵にしばらくいては打ちやぶり 芭蕉 (昭和七年五月、東京帝国大学新聞)....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
感を覚えぬわけには往かない。 幾日か降り続いた雨が、やがて降りくたびれた頃は、
凡兆のいう この頃は小粒になりぬ五月雨 で、長雨と大雨の憂鬱と不安とから救い出さ....
「雪の上の足跡」より 著者:堀辰雄
のだがね。――「鷲の巣の楠の枯枝に日は入りぬ」どうだ、凄い image だろう。
凡兆の句だよ。「越《こし》より飛騨へ行くとて籠《かご》の渡りのあやふきところとこ....
「俳人蕪村」より 著者:正岡子規
とく三種の取合せをいうにあらざるは、芭蕉の句、許六の句を見て明らかなり。芭蕉また
凡兆に対して「俳諧もさすがに和歌の一体なり、一句にしおりあるように作すべし」とい....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
の間を、しばらく乾物屋の軒へ引込んだのであった。が、よくは分らないけれども、俳人
凡兆の句の――呼返す鮒売見えぬ霰かな――の風情がある。 が、これは時雨で……買....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
なかったかもしれません。その点においては「猿蓑」の選者として去来の兄弟分に当たる
凡兆か、もしくはずっと下って天明時代の作家の方がより以上に適切かもしれないのであ....