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凡百
「凡百〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凡百の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
《いちべん》した。
「不肖ながら道命は、あらゆる経文論釈に眼《まなこ》を曝した。
凡百《ぼんびゃく》の戒行徳目《かいぎょうとくもく》も修せなんだものはない。その方....
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
ての通り噛みつくこともできない相手をやりこめるというまことにけっこうな習慣を持つ
凡百の文士連から存分に愚弄されたり、ひやかされたりしてきた官等である。この官吏の....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の石片石塊と、石工の作業の跡、及、街道より散入したる藁、紙、草鞋、蹄鉄片、その他
凡百の塵芥類似の物のほか、特に注意すべき遺物を認めず。尚、小雨に洗われたるがため....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
たものを、私は画家の性格のうちに見る。本当の自個をよく生かす画家の星の強さは他の
凡百の弱き画家の上に作用して皆|悉く自分と同じ真似をさせてしまう。自分の流感を他....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
文章を成しているのです。耳を澄まして少しくその読むところをお聞取り下さい! 「
凡百ノ技、巧《こう》ニ始マリ、拙ニ終ル、思《し》ニ出デテ不思《ふし》ニ入ル、故ニ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
起るさまざまな犯罪のうち、社会の耳目に触れるものはその百千分の一にも過ぎず、他の
凡百の悪計と惨劇はわれわれの知らぬうちに始まり、われわれの知らぬうちに終る。
....
「土足のままの文学」より 著者:織田作之助
った。終戦後大作家まで自分の作品を棚に上げたもっともらしい文学論を書いているが、
凡百のそれらの文学論よりは「ファビアン」一冊の方が、どれだけ今後の文学の行き方を....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
を透して降りそそぐ煦々《くく》たる二月の春光を浴びながら、歓談笑発して午餐に耽る
凡百の面々を眺め渡せば、これはさながら魑魅魍魎《ちみもうりょう》の大懇親会。凝血....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
時流というものに敢然囚われず、身みずから僧をもって任じつつも、僧侶型に顧念せず、
凡百の能書に最高所を採り、二流的妙品にはいささかも眼をくれず、一意最高書道に向か....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
対して最も優れた理解力と鑑賞力とを有する人々にも愛読され得る作品である。この作が
凡百の軽文学を遥かに抜いているのは、全篇の構成から措辞の末に至るまでに滲透してい....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
も※
歓楽の暗示をさえ
かたくなな批評で打ちこわし、
活動している己の胸の創作を
凡百の世相で妨碍する
日の目をまた見ることかと思えば、
己は苦い涙を飜して泣きた....