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凡眼
「凡眼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
凡眼の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
熾《さかん》に燃えている。ただ外見上は至極沈静端粛の態《てい》であるから、天下の
凡眼はこれらの知識巨匠をもって昏睡仮死《こんすいかし》の庸人《ようじん》と見做《....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ます」 「そうかい」と云ったが妙子の声は、依然不安を帯びていた。「お前達のような
凡眼には、時刻《とき》は深夜、間隔《あわい》は遠し、なるほどねえ、見えないかも知....
「自由人」より 著者:豊島与志雄
、実物に少しも似ない肖像画なんて、あり得るでしょうか。」 「そこが、凡慮の、いや
凡眼の、悲しさですな。少しも似ていないようでいて、実は大いに似ている。大いに似て....
「ねじくり博士」より 著者:幸田露伴
但し噴火山作用でメチャメチャになッて分らないのサ。火※も螺線になッて燃えるのだが
凡眼では見えないのサ。風は年中螺旋に吹てるのサ。小サイ奴が颶風だよ。だから颶風な....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
かぴかしている。四十から五十ぐらいな間の年齢であろう。こういう禅家の人の年齢は、
凡眼ではよく分らない。 体は、小づくりで、贅肉が少しもない。痩せッぽちなのだ。....
「三国志」より 著者:吉川英治
い人物は誰と誰とであろうか」 「さあ? ……むずかしいお訊ねですな。われらごとき
凡眼をもっては」 「いや、君の胸中にある者、誰でもよいから云ってみられい」 玄....
「三国志」より 著者:吉川英治
ばとて、書に読まれて、書の活用を知らぬものは、むしろ無学より始末がわるい。そんな
凡眼で、この大軍をうごかし、呉の周瑜に当るときは、たちまち、敵の好餌――撃砕され....
「三国志」より 著者:吉川英治
風のように聞えてくると、仲達への非難はぴったりやんでしまった。やはり司馬懿仲達は
凡眼でないと、謂わず語らず、その先見にみな服したかたちであった。 どんな時にも....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
亭に泊っていた二、三日などは、一日に三、四十幅も拝見させられた。 自分のような
凡眼で見ても、そうして持ち込まれた画幅や書には、一点も真筆かどうだろうと迷うほど....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
期の低調とはいいながら、さしてとも観られぬ絵がこんどはなぜか眼についた。こちらの
凡眼のせいかもしれない。(三一・七・一) * 静を書きつつ、時々....
「茂吉の一面」より 著者:宇野浩二
て書いた、茂吉の解説の文章である。これを読めば、原画の写真を見なくても、私などの
凡眼が見た以上に、はっきり分かるではないか、専門家でも書けないような、すぐれた「....